流行りの言葉ではなく

今日から師走。怒涛の勢いで月日が流れていく。10月の東京行、11月の義父の葬儀以外はフル稼働だ。次の休みは正月三が日、その次は4月になるだろう。耳鳴りがする。
▼さて、新聞に今年の回顧記事が載り、流行語大賞が決まって、いよいよ年末感が出てきた。今年の流行語選はイマイチだった。大賞の「爆買い」はともかく「トリプルスリー」はトップ10入りもどうか。「五郎丸(ポーズ)」や「まいにち、修造」は流行語というより単なる人名だ。「エンブレム」なら「白紙撤回」か「パクリ疑惑」だろう。
▼にしてもあるジャンルが根こそぎスルーされるのは毎年のこと。年初の日本人人質殺害事件以来一年を通じて活躍したIS関連が完全無視なのはなぜ?「同時多発テロ」「テロとの戦い」「空爆」「シリア難民(内戦)」あたりは候補くらいになってもおかしくはない。昨年のSTAP同様なんらかの意思が働いたのだろうか。
▼既に旬の過ぎた上半期(ラッスンゴレライ、あったかいんだから)より、記憶に新しい下半期(安心してください穿いてますよ)のものが選ばれやすいのは当然だが、9月成立の安保法案はもう過去のことだ。政治関連でいえばトップ10内のアベチャン絡みの2点やシールズよりTPPや軽減税率の方がピンとくる。「傾斜マンション」「杭データ改ざん」はまだ生々しすぎるか。
▼喉元過ぎれば熱さ忘れる。各種世論調査では、内閣支持率が安保国会前の水準にまで持ち直しているらしい。日本国民もいったいどういう了見かな。次の関門は消費増税だが、なべてこの世は出来レース公明党とは、軽減税率について安保法案とのバーターで話はついているはずだ。
▼喉元過ぎれば熱さ忘れる。国交省やゼネコンの思惑通り、傾斜マンション問題は下火になりつつある。大罪の三井住友建設は、この件について決算発表の席で触れただけで、杭打ち業界に責任を押し付けて知らぬ顔の半兵衛を決め込んでいる。旭化成建材は早晩杭打ち事業から撤退するだろう。普通の会社なら間違いなくとんでいるケースだ。
▼休憩中に金物屋の番頭と話していると、職人をつれてゼネコンに謝りにいくという。きけばその職人が施工済の鉄筋を踏んで退場処分になったらしい。謝りにいった席で、どうせ監督は構造の重要性について講釈たれるんだろう。自分たちは鉄筋ケチって姉歯事件みたいなことやっといてよくいうよ。
福島原発後の甲状腺ガン追跡調査では、一回目の119人に続いて新たに34人にガンが見つかった。これが有意の数字でなくてなんだろう。それでもなお調査チームは原発事故との因果関係を認めようとしない。強い立場のものが都合が悪いことに蓋をし、弱い立場のものにしわ寄せがいくような社会では、いくら豊かになっても誇りが持てない。日本とはそのような国だ。
▼入院中のお義母さんから再々「もうちょっと早く帰ってこれないの?」と電話があり、「来週末には帰るのに…」と妻が困惑している。それでいて翌日かけてみると「大丈夫だからゆっくり帰りなさい」と真逆なことを言うらしい。お見舞いのくる昼の間はいいが、夜ひとりになると不安になるのだろうか。
▼日曜は仕事が終わって妻と近所のショッピングモールでデート。フードコートでチャンポンを食す。白濁した長崎チャンポンではなく、スープが透明なあっさりタイプ。好みではないが、お昼に母が作ってくれたのはこれだったな。

ブックカフェに回るが疲れて食指が伸びない。
高橋源一郎アニキの「僕らの民主主義なんだぜ」をようやく読了。僕の読み方が間違っていなければ、アニキが言ってることはただひとつ「どこかで読んできた資料を基に知ったような口をきくのではなく、一から自分の言葉で考えろ」ということだ。できることなら、このブログもそうでありたいと思う。


二夜連続のおでん。うちの子どもたちはおでんを出しても「おかずは?」ときく。それで昨日は味噌汁が出てくるとびっくりしていた。つまり彼らの中でおでんは汁モノの位置づけなのだ。特にそう教えたつもりはないが、僕もそう思わないでもない。