翼をください

今週は上空に強い寒気が流れこんで不安定な天気だった。夜中に急に大雨が降って強風が吹き、目がさえて眠れない日もあった。
▼なぜ天気のことがそんなに気になるかというと、今建てかけの車庫があるからだ。三匹のコブタではないが、既製品の小屋なんて自然の猛威の前にはひとたまりもない。つくづく因果な商売だ。早いとこやめてしまいたい。
▼GW前に比べれば半分も働いてないのに、青息吐息でようやく日曜にたどりついた。週に一日の休みでは全然足りない。今まで日曜もなく働いて平気だったのは気が張っていたからだろうか。気が抜けて疲れがどっと出た。もう一度気持ちを立て直すには長期の休暇が必要だ。
▼それにつけても日曜の休みはいい。今日は八時半まで寝ていた。疲労回復にはやっぱり睡眠が一番だね。例によって子どもたちは部活、妻はエアロビ。ひとりダラダラテレビを見て過ごす。今メディアでは家電メーカーの苦境が旬のようだ。
東芝はテレビの国内生産から撤退を決めた。地デジ化の反動で前年比マイナス75%というけど、こういう官民共同の需要作りの成り行きは最初からわかっていることなので、企業は織り込みずみだと思う。商機を前に投資を決断してそれを回収し、また次の商機を探る。ビジネスとはその繰り返し行為のことだ。そこではほんの少しの機敏さが重要で、不変のビジネスモデルなんて必要ない。
▼番組では「三種の神器」といわれたテレビの不振を、ものづくり大国日本の凋落の象徴として情緒的にとりあげていたが、テレビの普及期に日本がテレビの恰好の市場であり、地デジ化でもう一度人為的に市場を作っただけで、今後の主戦場が中国、インド、東南アジアの新興国であることは誰にでもわかる。
▼生きていくためには需要のあるところについていくしかない。それはハイテクの製造業でもジャンクフードを売る屋台でも同じことだ。土建屋の同僚だって、社内で行き残るために東北行きをのんだ。その同僚が、何かの拍子に「世界中の人たちが世界中で働いているのに、日本人だけはそうじゃないよね」と言ったことがある。ほんとにその通りだと思う。
▼僕らは小学生の時に社会科で「華僑」や「在日」の存在を習った。それはグローバル化が問題になるずっと以前のことだ。教育はそのような事実を、いったい何を目的として教えているのだろう。少なくとも僕は、「世界では国を離れて働くのがスタンダードなことだよ」と先生が言ってるようには聞こえなかったな。
▼それにしても生きていくこと=生活やビジネスを基本にした話はつまらない。せっかく外国に行ったって景色に目をやる余裕もないだろう。正直そんなことから自由になりたいね。最近ネットサーフィンしていて素敵なブログに巡りあった。去年の秋から世界一周の旅の途上にある女性のものだ。中国、インドと回って今アフリカなんだけど、なにしろバオバブと真っ青な空の写真がすばらしい。結婚生活に何の不満もないけど、独身だったらなと唯一思うのはこんな時だ。
▼木曜はスパニッシュオムレツにチキンのトマトソースかけ。

金曜はカレーとサラダにデザートは手作りのスノーボール。


自由なひとり旅と暖かな家庭。まあどっちもってのは欲張りだな。どちらかだけでも手に入れられただけで幸運だ。