年季明け

雨上がりの週初は気温がぐんぐん上がって夏日である。昨日より今日の方が暑い。昨日が夏日なら今日は真夏日になったところも多いだろう。まだ空気はサラッとしているので、陽射しを避ければ涼しいのだが。
▼さて、一年の免停猶予期間?がようやく明ける。詳しくない人(僕もだけど)に簡単に説明すると、免許は最初の持ち点が6点で、違反すると減点されていき、持ち点がゼロになると免停になる。違反の内容によって、減点の幅は違う。ケータイやシートベルトなど軽微なものは1点。飲酒運転など悪質なものは6点をはるかに超えて一発免停のはずである。気をつけなければならないのは人身事故。一挙に5点なので他に一回でも違反すればアウトだが、人身か人身でないかは相手次第だ。
▼以前にも書いたが、僕は人身事故5点+スピード違反2点の累積7点で免停になった。初めての免停なら、丸一日講習を受ければその日一日の免停ですむ。そしてその日から一年間は持ち点が4点になる。人身事故を起こせば一発免停だ。二回目の免停からは免責がないので、即一ヶ月の免停である。一年間は慎重に運転しないとひと月車に乗れなくなるから気をつけなさいと、講習の際教官に言い含められた。
▼一年たったらまた持ち点が6点になるのか、一日講習の免責事項が復活するのかはわからない。もしそれが無事故無違反で一年過ごした場合の特典だとしたら、この一年マイナス3点でギリギリセーフだと喜んでいた僕は、あと1点ミスしたら即座に免停になってしまうことになる。実際はどうなんだろう。一ヶ月も運転できなければ仕事にならないどころの話ではない。
▼一年前の重複になるが、僕の人身は雨の日の交差点のスリップによる玉突きで、僕が直接ぶつかった人はなんともなかったのに、その前の人が現場検証ではなく後になって人身事故に切り替えたものだ。その日のうちに二人とも菓子折をもって訪ねたが、人身にした人はしきりにもう一人の様子を気にしていた。「私がこんなに衝撃を受けたんだから、もう一人の方はさぞかしひどかっただろうと思って。大丈夫でした?」
▼余計なお世話だ。もうこの時点で彼女が人身にしたくてしたくてしょうがないけど、いくらなんでも間接的にぶつかった自分が直接ぶつかった人を差し置いて被害を訴えるのはどうかという気兼ねがうかがえる。そしてそんな理性も一晩寝ればすっかりどっかに行ってしまったようだ。ほどなく僕は二度目の現場検証に呼び出されることになる。彼女は市の介護職員だったが、彼女に介護されているお年寄がかわいそうだ。
▼それからスピード違反はネズミ取りに引っ掛かったもの。その道を通る全員がスピードオーバーで、警察が捌ける台数だけ脇道に連れ込まれる類のスピード違反だ。そして免停直後の違反はスクールゾーン侵入。そこに立っていたオマワリが、僕を交番に連れて行って切符を切っている間ずっと、僕はそこから見えるスクールゾーンから出てくる車の数を数えていた。
▼最後はケータイ。運転中のケータイに出ないと、僕は仕事にならない。なぜなら営業職の僕は一日のほとんどを運転していて、なおかつ一日中ケータイが鳴っているからである。コードレスイヤホンを使えばいいじゃないかというが、運転中のケータイ使用は片手運転が危ないのか、それとも会話に気をとられて運転に集中できないことが危ないのか。
▼免停講習には実習があって、実技を終えた教官は僕になぜここにいるのか違反の種類をきいた。免停前の人身事故とネズミ取りの話をしたら「ああ、運が悪かったね」と言われた。免停直後のスクールゾーンもケータイも、運が悪いちゃ運が悪い。飲酒運転や無免許運転、死亡事故に繋がるようなスピード違反や乱暴な運転をしているわけではない。僕が免停にしなければならないような要注意運転者なら、世の中の半分は免停対象者だろう。
▼僕は今、一年前のブログを見て、一年前のことを思い出しながらこのエントリーを書いている。そして免停講習の日から一年が過ぎた今日をもって、僕は全てを水に流そうと思う。たとえ累積3点がチャラにならず、明日ケータイで捕まってひと月の免停になるとしても、とりあえず今日をもってこの問題はいったん区切りにしたい。後から人身にしたおばちゃんのことも忘れよう。そういう意味での年季明けである。人生は短い。くだらないことにいつまでも拘泥しているわけにはいかないのだ。

日曜は酢鶏にひじきサラダ。

月曜は和風ハンバーグにジャガイモ饅頭