幸福の王子

尖閣事件はいろいろ新しいことがわかって面白かった。無人島なのに住所があり、国有地かと思いきや地主がいるらしいこと。尖閣モグラがいることなど。
▼現職大臣が二人同時に問責決議までされてしまったが、その理由が「尖閣問題の対応を誤って国益を損ねた」というのだから、僕なんかそんなにヘボだったかなとちょっとびっくりである。
▼問責を提出した野党が主張するように、中国の圧力を敢然と跳ねのけていたら、フジタの社員が戻ってきている保証はない。ましてやビデオをネカフェからYouTubeに投稿した海保職員を憂国の士に仕立てるなんて、体当船長を英雄扱いする中国みたいなもんだ。
▼僕なんか、中国がそんなにごねるなら無人島の一つや二つくれてやれと思うが、今そんなこと言ったら国賊扱いだ。くわばらくわばら
▼昔は単なる無人島だったものが、なぜ今世界的に重要視されているかというと、海底が天然資源の宝庫だからである。海底を基準にするのであれば、率直に言って、沖縄トラフを中間線とする中国の主張の方が理屈にあっているような気がするが。
▼日本人はいつからそんなに領土に敏感な愛国民になったのだろう。僕が子供の頃は「僕らの知らないとこで自衛隊が頑張ってるみたい。よく知らないけど」でよかったけどな。
▼海保の友人が飲むたびに中国の悪口を言うようになっていくのが気の毒だった。もちろん相槌を打ちながら聞いたが。最前線で体を張っている人たちに反駁するつもりは僕には毛頭ない。
▼中国政府の強硬路線が国内向けのパフォーマンスであるように、日本の野党もこの件を政局に利用して大袈裟に騒いでいるだけだ。なにしろ領土については強硬に出た方が支持を集めるに決まっているからだ。自分の土地に執着するのは人間の本能的な欲なのかもしれない。