藍より青き者はなし

遅く帰って何気なくNEWSZEROを見ていたら、宮里藍のインタビューをやっていた。米ツアー今季5勝をあげた藍ちゃんの表情は自信に満ち、光り輝いていた。
▼藍ちゃんが五年前に米ツアーに参戦してしばらくの間、あまり活躍できなかったことは知っていた。しかしそれが三年にも渡る長期のスランプだったとは思わなかった。
▼藍ちゃんと同世代で、藍ちゃんと同じように活躍しているアスリートはたくさんいる。女子ゴルフ界だけでもさくらや桃子、ちょっと年齢は上だがルックスも上の古閑美保、少し下の諸見里など。
▼藍ちゃんが米で苦闘している間、日本で華々しい活躍を見せていた彼女たちは、普通の人の目には藍ちゃんと遜色なく映っただろう。
▼イメージキャラクターとして、彼女たちのようなアスリートと専属契約する企業は多い。どんな人を採用するかで、その会社の先見の明というか、ポリシーがわかるような気がする。
▼いち早く藍ちゃんと独占契約し、2006〜2008の雌伏の期間も変わらず彼女をCMに使い続けてきたホンダ。一方で当時大人気のご当地出身ミキティを使うも、トリノ惨敗であっさりやめてしまったトヨタ
▼もしトヨタがフィギュア選手からマスコットを選ぶなら、真央ちゃん以外なかっただろう。今季真央ちゃんが絶不調でミキティが安定しているとか、シーズン毎の成績だけの問題ではないのである。
▼人間には格がある。例えば谷夫婦。夫のプロ野球選手も一流のアスリートであることは間違いない。並み居るプロの中でも日本代表に選抜される名選手だ。しかし世界のヤワラちゃんはやはり別格である。野球界でヤワラちゃんレベルとなるとゴジラ松井イチローしかないだろう。
▼誰でも一生懸命練習して強くなりたい、勝ちたいと思うのは同じだ。現に技術面でのうまいへたにそんなに差はないかもしれない。だがそこから先は、その人のスケールというか器というか格である。
▼格というわかりにくい概念を、宮里藍が体言している。そして彼女を選んだホンダは、人や物事の真贋を見極める目と高い意識を持った企業だと思う。目線が違うのだ。