神話作用〜北の国から南の国まで

GW中日の今日、子供たちは学校、妻は近所の友人とお茶ということで、ひとりおいてきぼりになったのをいいことに、長年の計画を実行に移してみた。が、まだ新しいパソコンの使い方に慣れずうまく保存できなかった。約2時間の作業が一瞬にしてパーだが、なんとなく感じはつかめた。明日以降下の子が許してくれれば再度チャレンジしてみよう。
▼陽の当たらない室内の空気が少し寒々しく感じられたので、焼酎のこぶ茶割をチビチビやる。昼酒は気分いいが、こぶ茶割そのものは期待はずれだった。うまけりゃ今頃もっとポピュラーになってることだろう。作業に熱中してお昼を回りお腹がすいた。妻が作っておいてくれたお弁当をナンチャッテ黒生で流し込む。ウマイ。
▼午後は妻とテレビを見ながらまったりデザート&居眠り。夕方いつものローカル番組でポーランド料理を紹介していたが、お金を払ってまで食べに行くもんじゃないなと思ってしまった。ロシア料理と同様バルシチ(赤かぶ)のスープもあった。失礼かもしれないが、僕のボルシチに対するイメージは、ロシアの貧農がジャガ芋のカケラや人参のシッポやキャベツの芯をかき集めて煮た水っぽいスープだ。
▼それでも学生の頃はドストエフスキートルストイゴーゴリなどロシアの作家にハマっていたこともあって、友人を伴ってロシア料理屋に通ったものだ。何にかぶれたか、一時期ズブロッカのロックばかり飲んでいたのはいいとして、ビーフシチューさながらのボルシチや、コースの中のキャビアやステーキを堪能してロシア文化に触れた気になっていたのだから、まさにバブルに踊っていたとしか言いようがない。
▼肩入れしすぎて物が見えなくなることはよくある。僕は父の仕事の関係で日本中をまわってきたが、沖縄だけは行ったことがない。まだ見ぬ南国への憧れと、琉球王国の辿った悲劇の歴史への負い目から、必要以上に沖縄の人たちを神格化する傾向があった。実際仕事でいっしょになる沖縄の人たちは温かく、打ち解けると何度か身内の宴会に呼んでくれた。
▼感激した僕が泡盛の古酒を片手に彼らが出してくれた手料理を「ウマイウマイ」と平らげると、怪訝そうに「そうか?」と言う。彼らに言わせれば、「食べ物は北に行くほどうまくなる」そうで、実際魚は熱帯魚みたいなのしか採れず、刺身はグニャグニャ、ソーキそばは粉っぽく、食えるのは豚料理くらいだそうだ。
▼「でもいいところですよね。帰りたいでしょう」というと、「そうかねえ。観光に行くなら別だけど、オレは帰りたいとは思わないね」とつれない返事。現実を知っている当事者の言葉は極めて現実的なのであった。
▼今夜のウチゴハンは牛丼にササミとほうれん草とキャベツのサラダ。これに鍋いっぱい作り置きしてある常備食の野菜スープ。お昼飲んだのでアルコールは抜きだ。

時に以前の写真の中に僕の家族が少しずつ写り込んでいる。ちょっとエッというようなところに潜んでいるので興味のある方は探してみてください。