隠喩としての東北

仕事がないので雨漏れ修理とドブさらいの毎日だ。まあ梅雨時期には一番必要な仕事だけどね。それにしても仕事ないなあ。リーマンショックの時もガタッとなくなったけど、その時以来だ。学生の頃建設現場のバイトで忙しすぎてバブルを実感したけど、こういうのってホントに肌で感じるものだなあ。みんなどうするつもりだろ。ああオレもか。
▼なんだか首都圏でも放射能濃度を測定し始めてホットスポットがどうだと騒いでるけど、じゃあ福島原発で事故の対応にあたってる人はどうなるんだ?年間1ミリシーベルトが限度って言ってるのに一日500ミリも浴びちゃって。あそこで働いてる人はみんな数年で死ぬな。どういう協力業者のどういう素性の作業員が原発石棺化の人柱になるのかな。
▼復興ペースが遅い遅い言ってるけど、実際企業の対応は早かった。ライバル関係にある自動車メーカーが一致結束して、当初本格稼動まで一年かかると言われたルネサスのグチャグチャのクリンルームを、人海戦術でたった三ヶ月で復旧してしまった。要はスピードも協力もやる気の問題だ。東北の人たちには申し訳ないが、日本にとっての東北は、優先順位としては自動車産業にとってのルネサス以下ってことだ。
▼もう日本全体がメルトダウンしてるんだな。震災で顕在化したというだけで、もうとっくの昔に。東北や原発作業員のような負け組の犠牲の上に、東京や東電正社員のような勝ち組の生活が成り立つような構造っておかしくないか?日本て国は日本がそういう国だという事実をマスコミぐるみで隠蔽してきたんだ。
▼東北は関東でも関西でもないという理由で、東北の復興は今までのようにはいかないかもしれない。そんな湿っぽい話はよしてメシいこうかね。恒例のウチゴハン劇場三連発。まずは一昨日から焼きナスのチーズ巻き。

そしてトリマヨ。

皮を取ってあるのでマヨネーズの油がしつこくない。その皮は別にカリカリに焼いてビールのあてに。

昨日はポテトちぢみにナスの冷製煮浸しにササミサラダ。

ナスの冷製は僕専用メニューだったが、下の子がまだ帰ってなかったので「大丈夫かな」と心配すると、妻が「あの子ナス嫌いだから大丈夫よ」と言う。「いや、残った汁を見てズリラーと勘違いしないかと思って」と話しながら食べ終わったところに戻ってきた下の子が開口一番「その中なに入ってた?」で大爆笑。そして今日はオムライスのサイコロステーキソースかけ。

サイコロステーキと言ってもステーキを切ったものではなく、最初からサイコロ状で売られているものはクズ肉の寄せ集めだ。違いのわかる男=上の子はこれが嫌いで全部よけてた。下の子は肉ならなんでも大喜びだが。同じ兄弟でどうしてこうも違うんだろ。不思議だ。

梅雨空のまぶたに恋し枇杷の色

小学校の時うちまで遊びに来てくれた教育実習の先生、今どうしてるだろう。僕が10の時22だから、もうお孫さんがいてもおかしくない。あの時母親が出してくれた大粒の枇杷ほど美味しいと思ったものはないな。クラブでホステスが食べさせてくれるフルーツの盛り合わせなんて目じゃないぜ!僕の人生の思い出のキングオブキング、ベストオブベストだ。ああ、美しい思い出の中に生きる方がよっぽど楽しいなあ。それが僕の年齢のせいで、時代や世相のせいでないことを祈るばかりだ。