遅れてきた中年

昨夜から降り続いた激しい雨で下の子のソフトの試合は中止。今日は晴れていれば一日そのお手伝いだった。具体的にはグローブ、バット、ボール、ヘルメットなど用具の運搬と、審判にお茶を出す係である。たいした仕事ではないが、どこかにでかけてしまうわけにはいかない。
▼どこの自治会でもある子供会の中の、複数ある世話役のうちのひとつだ。最高学年の父兄は、このどれかの役員になるキマリである。例えば今年の六年生でソフトをしているのはうちの子だけだが、ソフトの役員は四人。つまり残りの三人は、試合があれば自分の子供もいないのに日曜日が丸々潰れることになる。
自治会活動にはいろいろある。僕の町内では子供会のほかに体育振興会、婦人会、祭青年などだ。老人会もあるかもしれない。体振は、町内運動会のほかにもバドミントンやバレーなど複数の大会を主催している。婦人会は何をしているのかわからない。祭青年は春、夏、秋三回のお祭り担当。僕は祭青年、妻は子供会に所属している。
▼このほかにも廃品回収やドブさらい、草刈など半強制の活動は意外とたくさんある。神社の氏子も持ち回りで、引き受け手がいなくていつも会合が紛糾する。ちょっと前のヤフーポータルサイト質問箱にも相談してる人がいたが、ほとんどの人にとって自治会活動は厄介な義務であり、面倒だと思っている人が多いだろう。事実、草刈やドブさらいの不参加者には罰金が課せられている。
▼多くの人が自治会活動にメリットよりデメリットを感じている。しかしみんながエゴを優先して自治会が完全に機能しなくなれば、そのデメリットを想像するのもそんなに難しいことじゃない。罰金があっても草刈に出てこない人もいる。「強制じゃないんでしょ」とたんかをきってやめていく人も中にはいる。そのたびに「強制じゃないの?」「ずるい」と騒ぎにはなるが、結局はゆるい連帯が保たれるのは、やはり多くの日本人が常識人たる所以だろう。
▼僕たち夫婦も家では散々悪態をつきながら、脱会するところまではいかない。最低限の参加でギリギリ逃げている状態だ。僕も本番会員とか幽霊会員とか陰口を叩かれているかもしれないが、たまに会合に顔を出せばみな温かく迎えてくれる。僕はどちらかといえば中途半端な状態が気持ち悪いと感じる方だが、つかず離れず今日までなんとなく続いてよかったと思っている。ご近所づきあいとはそういうものだ。
▼先日はねとびでめずらしくおもしろい企画をやっていた。名言のキーワード当てクイズだ。これが簡単に当たりそうでなかなか当たらない。かといってかすりもしないというわけでもなく、クイズ問題としては絶妙な正答率となった。ここで僕はある法則を発見した。上の句のキーワードをリフレインすれば、それなりに形になるということだ。
▼例えばドラッガーの「何かを成し遂げる人は、最も重要なことからとりかかかり、しかもひとつのことしかしない」は「ひとつのこと」が抜かれていたのだが、前節のキーワード「最も重要なこと」を入れてもそれなりに様になる。ちなみに「一日に二つ以上のことをするもんじゃない(一日一行事)」は我が家に代々伝わる家訓である。いろんなことすると疲れちゃうもんね。
▼こういった名言の類は短いだけにいろんな含意があるものだが、真意を外すと何にもならない。スーパードライでアサヒをトップシェアまで引き上げた樋口廣太郎の「チャンスは貯蓄できない」の解説は、僕の敬愛する人気ブロガーの最近のエントリ「チャンスは一度しかない」が全てだろう。
▼もうひとつ心に残ったのは、我が青春の愛読書ドストエフスキーの「お金が一番厭らしいのは、それが人間に才能まで与えてしまうからだ」である。実際に社会に出ればわかることだが、世の中はお金が全てだ。「貧すれば鈍す」も同じ意味である。何も現金の賄賂が必要だというわけではないが、世の中に手ぶらで行ける場所はそう多くはない。
▼凡百の言葉より、ほんのちょっとの心づくし、千円二千円の菓子折が物を言う。そして、必要な時にこの千円二千円が足りないのである。「社用で必要なら経費で賄えばいいじゃないか」という意見もあろうが、それも含めてあらゆる場面でこの千円二千円が自由になる人は、まさに最初から才能を与えられているようなものだ。
▼お金が余っている人より足りない人の方が圧倒的に多いだろうが、お金が足りない場面は人それぞれだ。そして自分の家計の過不足にだけ一喜一憂している人は幸せだと思う。そういう人はこのドストエフスキーの言葉はピンとこないかもしれない。でも僕がこのことを痛感したのもここ一、二年のことだ。遅すぎるね。
▼さてウチゴハンタイムだ。昨日は焼き餃子とソーセージサラダにガーリストーク

今日はチキンのコーンマヨ焼きに新タマとほうれん草のサラダ。

今月も十日を残して早くも節約メニューのような気がするのは僕だけだろうか。今までほとんど撮影しなかったが、うちはデザートもスゴイのだ。今日のデザートは妻の手作りケーキ。

よく雑誌の節約特集なんかで「一ヶ月食費三万円の献立」なんてやってるが、うちじゃ絶対無理だ。みんな何食べてるんだろ。キャベツとモヤシとタマゴ料理ばかりならそれも可能だろうが、うちなら暴動が起きるな。