子供が好きなのは熱中先生に決まってる

白球が吸い込まれゆく夏の空

土日と、たっぷり下の子のソフトボールにおつきあいしてきた。週末から週明けにかけての予報は雨だったが、次第に傘のマークが小さくなってゆき、ついにご覧の通りのカンカンデリになった。

多少不完全だが入道雲も出ている。もう梅雨明けといっていいと思う。おかげで日焼けして身体が熱くてしょうがない。軽い火傷のようなものだ。
▼下の子は最低学年からずっとソフトをやっている。上の子が六年生のときはまだ二年生で、赤ん坊に毛がはえたのがチョロチョロしてるだけだったのに、もう堂々たるものだ。六年生は彼ひとりだが、下級生の面倒をよく見てやっている。
▼町内のユニホームが、僕が小学生の時に着ていたものとそっくりだ。

僕もこんな暑い日に一日中キャッチャーをやって、日射病で倒れたことがある。氷枕を敷いて座敷に寝ていた僕を、父がかき氷を食べながら覗きにきたっけ。つい昨日のことのようだ。
▼長男がいたころからそうだったが、うちの町内のチームカラーは、よくいえば子供らしく、悪くいえば勝負に淡泊だ。緊張と集中力が足りない。例えばただでさえストライクが入らない中で、せっかくツーストライクまで追い込みながら最後の一球をキャッチャーが後逸して振り逃げで塁に出られる。もったいない。力の入れ所がわかっていない。
▼ランナーが塁に出れば走られ放題の子供のソフトは、内野ゴロをファーストでひとつひとつアウトにできないと苦しい。あとは三振か、ライナーが偶然グローブに入ることを祈るしかない。だからマトモなのが少なくともピッチャー、キャッチャー、ショート、ファーストの最低四人は必要だ。だが見たところひとり足りない。
▼この子たちに何を教えればよいか。しかも練習ではなく試合当日になって。僕はメリハリと意識づけだと思った。「ツーストライクだよ。あと一球で三振だよ」「ツーアウトだよ。あとひとつでチェンジだよ」「今何点差だよ。ここをしっかり守れば逆転できるよ」細かく声をかけてやることでリズムが生まれ、試合が形になり、両日とも一試合ずつ勝つことができた。
▼ところが試合が終わってコーチが話しかけてきた。彼は試合の間中ずっと「楽しくやろうぜ」とか「笑顔がないよ」と声をかけていたが、どうやら自分の指示で子供たちの力が抜けて勝利に繋がったと勘違いしているようだ。彼は僕に向かってこう言った。「勝ち方も知らないのに勝つぞ勝つぞ言ってもダメですよ。それより楽しくやらせた方がいい結果が出ます」
▼ところで僕は一時期塾の講師をしていたことがある。今僕が一番後悔しているのは、僕自身が「勉強が好きな子供なんていない」という固定観念に囚われていたことだ。当時は目が曇っていてよくわからなかったが、努力をすることで結果が伴うことがうれしくない子はいないし、もっと単純に、わかることの喜びは全ての子供に共通の感覚だと思う。
▼試合の後、子供たちはコーチのところには行かず、みな僕のところにやってきた。勝ってうれしいとか、試合の話をするわけではない。ただおにぎりを食べたり、他チームの試合を見たり、キャッチボールをするのも僕の近くでやるのだ。なぜかなつかれてしまって弱った。ソフトをやってるんだから、打てばうれしいし、うまくなりたい。それなくしてただ「楽しく」なんて、いったいなんのことかわからんよね。
▼ウチゴハンも三日前のメニューがもう思い出せない。これからは記憶より記録が大事になってくる。
土曜は暑かったので妻がトマトの冷製カッペリーニをしてくれた

そして日曜は豚丼に冷ヤッコに根菜サラダ。

そして今日は我が家の夏の定番メニュー=春雨のピリ辛炒めにソバサラダにチージャガ。

明日から一週間ほど東北に行ってきます。ブログのアップは帰ってからになるかもしれません。