お酒にまつわるエトセトラ

昨日は一日子供のソフトボール大会。

うちに戻って夕方5時頃から晩酌を始め、気がつくと爆睡してた。やっぱ焼酎の梅割はきくわ。前回の旅ログの、飲んですぐ意識が飛んだ「焼酎に色をつけたもの」の正体もこれかもしれない。自由人さん、宇ち入で毎回こんなもの飲んで大丈夫なのかな。って余計なお世話だね。詳細は以下。
▼夕飯の支度ができるまで子供がもらったソフトボールのお菓子をアテに親父にもらった芋焼酎をやる。

そもそも焼酎を好んでは飲まない僕。特ににおいのきつい芋は苦手だ。この「財宝」も何で割っても芋独特の風味が薄まらなくてなかなか減らない。「どうせクサイんなら生で飲んでやれ」と梅シロップを多めにしてサーモスのマイコップで二杯。もちろんなみなみではないよ。そんなに飲んだらひっくり返っちゃう。そうこうするうちにメインディッシュができあがる。

鶏とアスパラのレモンクリームソースのパスタに温野菜サラダ。クリームにレモンの酸味がきいて超ウマイ。第三のビールで流し込んであっという間に平らげたところで記憶なし。気がつくと9時前だった。その間に妻と子供たちはミスドでドーナツを買ってきて、昏々と眠る僕の横でデザートタイムも終了してしまったそうだ。ドーナツの撮影指示を出していなかったのは痛恨のミスド。なんちゃって。代わりに先日のデザートのバームクーヘンの写真を。

▼夕方、妻と二人でそのパスタを近所のリカーショップに買いに行った。このショップ、輸入食品が充実の品揃えで重宝している。レモンソースのパスタには36番の太さが合うそうだが、普通のスーパーじゃそこまでの対応は無理だろう。もちろんお酒の種類も豊富で、見るだけでも飽きない。
▼僕もお酒は嫌いじゃない方だが、若い時のような無茶苦茶な飲み方はすっかり陰を潜めた。特に学生の頃は、なんであんなに荒れてたのか自分でも不思議なくらいだ。今は経済的な理由も大きいが、ソトノミよりウチノミの方がずっと楽しい。妻のおかげだね。感謝感謝。
▼お酒の失敗談は数知れず、とても一度には書ききれないが、ここではひとつだけ。亡くなった友人との話は前に書いた。僕は彼の所属していた団体の飲み会にもよくくっついていったが、例によって酒癖の悪さを存分に発揮して彼に恥をかかせたものだ。文学部の僕なんかとは違って、当時から天下国家を論じる彼らの中には、今や政局のただ中に見える顔もあって感慨もひとしおである。あちらは覚えてもいないだろうがね。
▼さて、志のある若者の議論に登場するのは、幕末や維新の志士たちと相場は決まっている。そうやって日本の未来と自分の将来を熱く語る彼らに、僕は「新鮮組近藤勇と沖田総士はホモだった」みたいなくだらない与太話をふっかけて水を差した。先刻承知之助といった風の友人は、何も言わずにみんなを促して席を立ったが、さすがに店の主人は腹に据え兼ねたのか、遅れて帰ろうとする僕に塩をまいて「あんた最低だよ」とのたまった。最悪の思い出だな。
▼ワインや日本酒の銘柄にこだわるほどではないが、口に入れば何だって構わない僕にも芋のように苦手なものはある。ジンやウォッカのような蒸留酒よりどちらかといえばビールやワイン、日本酒のような醗酵酒の方が好きだ。ウイスキーとブランデーの区別もつかないが、同じウイスキーでもバーボンよりスコッチの方が好き。
▼世界の洋酒が並ぶそのリカーショップに、ドクロマークラベルのジンが置いてあった。ジンと言えばギルビーやタンカレーボンベイサファイアくらいは知っていたが、さすがにドクロラベルは初めて見た。その名も「ブラックデスジン」。紹介カードの横に原産国イギリスのユニオンジャックがプリントされているのを見て、「ああこの酒フランス人は絶対飲まないな」と思った。フランス人にはそのまんま毒入りの壜に見えるだろう。
▼学生の頃一時期通っていたアテネフランセで、一度だけ代行で来た女性講師に「酒は何を飲むか」と聞かれたことがある。「ウイスキー」と答えると、講師は大袈裟に首を振って天を仰ぎ、「それは貧乏人の飲み物です。そんなものイギリス人しか飲みませんよ。フランス人に飲む人はいません」と言った。
▼貧乏かどうかはともかく、フランスのワインやドイツのビールは日本のお茶のようなものだろう。ワインやビールならなんとかお茶がわりになりそうだけど、ウイスキーをお茶のように飲んだらたいへんなことになる。それで僕は学生の頃、たいへんなことになってしまったんだな。まあ命を落とさなかっただけでよしとするか。