もうバッチリ男

「春に三日の晴れ間なし」というが、先週の雨に引き続き明日からまたはっきりしない天気が続きそうだ。この時期の雨を催花雨というらしい。冬の間身を縮めていた草木に早く芽を出せと促す雨だから、そんなに激しい雨にはならない。霧雨や粉糠雨のような弱い雨が続く。
▼急に強い雨がくることを驟雨というが、逆にしとしとと長く降り続く雨のことを地雨というらしい。地雨と書いてじあめと読む。人の心をうるおす柔らかな雨なら慈雨だろう。子どもの成長を願う親の目線というものは、そっと背中を押す弱い雨のようなものでありたいと思うけれどもなかなかうまくいかないものだ。
▼25日は長男の誕生日だった。その誕生日を前に大立ち回りを演じてしまった。天気でいえば暴風雨である。とうに身長は僕を超えた手足のひょろ長い細木が、どやしつけ、殴りつけ、抑えつけても折れない。感情もあらわに怒鳴り散らす僕を尻目に、泣くでもわめくでもなく冷静なものだ。このしなやかな精神はいったい誰が植えつけたものかと不思議に思ってしまう。
▼上の子の特徴は、一言で言えばマイペースである。虚勢をはったり、その逆に卑屈になったりするところが全くない。妙な見栄やプライドではなく、いい意味の自尊感情が自然に根付いている。高貴な魂というものは、教えて身につくものではない。親としてこれ以上望むことは何もない。特に教育上の問題があるわけじゃないんだから、これは単に感情のぶつかりあいである。いわば男同士の喧嘩のようなものだ。もう一人前の男として認めないわけにはいかないね。
▼一年前は受験生だった上の子について、去年の今頃もそんなに記述があるわけではないけれども、読み返すと全幅の信頼だけは変わらないようだ。それなのにこんなことになって、男って不思議だね。結論は一年前と同じになるけどカラオケ行って奥田民生の「息子」を歌おう。

この歌、ホントうちの息子のことだよって思うんだからオレも親バカだ。
▼けしてヤケ酒というのではないが、誕生日の25日は親子それぞれ別々のやきとり屋で会合があり誕生会は26日に。

妻はカラアゲも絶品。僕も小さい頃自分の誕生会に呼んだ友人がお母さんのカラアゲをおいしそうに頬張るのがうれしかった。

誕生ケーキはこの辺では有名な高級タルト。妻も奮発したね。