ベリーグッドマン

今日から5月。GWは好天に恵まれるはずがにわかに雲行きが怪しくなってきた。連休工事で休みのない鬱々たる気分を象徴するような空模様だ。これで風薫る五月晴れでも広がっていた日には、もうその場で職場放棄しちゃいそうだからかえってよかったかも。
▼しかしこんなことがいつまで続くのだろう。年々仕事に対する意欲が失われていくのをどうすることもできない。知恵を搾り、労力を傾けた分しか成果が返ってこないのはわかっているが、型通りさっさと終わらせたい気持ちが募るばかりだ。早くやめたい。
▼今一番欲しいものはなんだろうと考えてみる。学生の頃は「知識」と答えただろうが実は「カノジョ」だった。今なら「時間」と答えるが、タイムイズマネー=貧乏ヒマなしで、これは一生叶わない望みなのかもしれない。
▼連休目前の金曜は最近やたらに目につく台湾料理店で家族そろってささやかな外食。

バブルの頃通った新宿の「隋園別館」や馬場の「欣葉」など、一昔前は本場の人がやってるお店は、高級店とは言わないまでも本場の味を提供してくれる名店だったはずだが、ここ二、三年で急速に増えたこの手のお店は少し様子が違う。
▼最大の特徴は、出始めの頃鳶の職人が「オレ、昼飯残したの初めてだよ」と話していたように、とにかく安くてボリュームがあることだ。例えば中華丼とラーメンのようなセットが六百円前後で食べられる。こういう店はこれまでありそうでなかった。
▼誰でも経験があると思うが、若くて健康な男性であればお昼はたいていご飯ものと汁ものを両方食べたいものだ。ところが蕎麦屋などでかつ丼とそばを頼むと、それぞれ650円と450円というように千円を超えてしまう。七、八百円のランチメニューもあるにはあるが、半チャンラーメンとかミニうどん付セットのように、どちらかの量が半分になってしまう。
▼両方ともちゃんと一人前で六百円前後というのは、要は半値ということだ。それを可能にしているのが人件費の安い本場の従業員ということになる。これもグローバリズムの一側面で、こうして格安経済圏が広がり、デフレが加速してゆく。早晩日本人の個人経営の飲食店は立ち行かなくなるにちがいない。客の側も今は安さを享受しているが、じきその価格帯にしか手がでなくなるだろう。
▼連休初日の土曜は二度延期の後の満を持しての合コンのはずが、女性が幹事以外全員ドタキャンで唖然。男性幹事には悪いが、連休初日の土曜に出てきてくれる女性なんているわけない。休みの前の土曜に思い切り飲みたい気持ちはわかるが、そろそろそういう土建屋的発想は捨てないと水商売相手にするしかなくなっちまうぜ。
▼太ったツイッギーみたいな厚化粧の50代の女性幹事が気の毒なので、持ち上げながら二次会まで。このグループの合コンは過去三度参加させてもらったが、まあ同じメンツで四回はないと思っていた。我々が妻帯者で、浮気をする気がないのであれば、三度が限界だ。新しいメンバーが二人くると言っていたが、彼女たちも二度延期して気持ちがしぼんでしまったのだろう。女性は見切りをつけるのが早い。
▼それにしても僕はよくモテる。二次会は過去二度参加した女性がバイトしてるスナックに行ったのだが、彼女は僕しか相手にしなかった。他のグループの時もそうだが、合コンが三回で打ち止めなのも、みんな僕にその気がないのを悟って来なくなるのだと思う。そしてなんの取り柄もない中年男がモテる唯一の秘訣は、この絶対に浮気なんかしそうにない安心感オーラなのだ。そこにジレンマがある。

日曜は妻の方が友人と夜遊びに行って写真なし。月曜はチキンサラダにゴボウ煮スパ。テレビに出ているチャンカワイが面白くて笑っていると、下の子に「笑ってるけどお父さんそっくりだよ」と言われてしまった。妻も子もすっかり安心しきっている。