ラフロイグの呪い

今日から七月。これで一年も半分が過ぎたことになる。正月の帰省も家族会もついこのあいだのことのような気がするのに早いものだ。そういえば恒例のタイロングステイ中の両親も帰国する。ひと月なんてあっという間だと父もブログに書いていたな。それでもあちらに滞在中はいつもより随分更新頻度が高かった。それなりに刺激のあった証拠だろう。
▼それに比べると僕の方は相変わらずである。GW明けから日曜が休めるようになって大方二か月がたつのに代わり映えのしない毎日だ。これといったトピックもない。暇なようで野暮用雑用が多く、まとまった休みがとれない。少し立ち止まって考える時間がほしい。
▼ここ一週間ほどは梅雨の中休みだったようだが、今週は傘マークが並んでいる。七月に降る雨は激しくなることが多い。北寄りの梅雨前線に南から湿った風が入るからだろうが、確かに二三日前からガラッと空気が入れ替わったような気がする。数字上の気温は同じでも、夏の空気は暑い。たいていのことはガマンする僕もさすがに心配になってお局さまに「夏服はまだですか?」ときいてしまったよ。
▼さて、今月は待望のボーナス月間だ。我が家の家計も国の財政と同じでかなり資金繰りが苦しい。小沢さんが民主党の原点に返ると騒いでいるが、いわゆる守られなかった国民との約束の中で、僕が一番不思議に思うのは高校無償化である。長男は私立でも給食でもないのに毎月三万七千円ももってかれるが、はたしてこの政策はいったんは実現したのかな?それともしなかったのかな?
▼そんなわけでわずか二、三千円の映画代や本代を使うにも勇気がいる。あとはボーナスを待つばかりという段になった先日、ようやく心おきなく本屋をのぞいたら、ほしかった有吉玉青の「美しき一日の終わり」が何軒回っても見つからない。書評を見たのはそんなに前のことじゃないと思ったが、こりゃ重版待ちだな。随分な人気である。
▼またまた悪いクセで読まずに言っちゃうが、書評に引用された抜粋や粗筋から僕はダザイの「斜陽」を思い出したのだ。あるいはカズオイシグロの「日の名残り」あたりを。そしてこの二作も併せて本作を痛烈に読みたいと感じた。これらの作品に共通のテイストは懐古趣味である。僕に限らず今の日本には、前よりも後ろを向いている人の方が圧倒的に多いことだけは確かだ。
▼とはいえ晴れてボーナスも出た。僕は一年ほど前から、ボーナスが出たら自分へのご褒美として大好きなシングルモルトを一本買うことにしている。去年の夏はグレンリベット。冬にラフロイグ。先日も妻と二人で買物に行った際物色したが決めきれなかった。ボウモアにするかグレンモリッジにするかマッカランにするか迷っている。ことを楽しんでいる。
▼まだ次のパートナーがやってくる前ではあるが、久々に古女房を思い出して一昨日は瓶の底に残ったラフロイグソーダで割って最後の別れを惜しんだ。独特の強烈な樽の薫りはソーダで割ったくらいではびくともしない。一杯きりなのにすぐにひっくり返って爆睡してしまった。その上昨日も少し残って仕事に差し支えた。主人の心がわりにラフロイグも嫉妬したんだね。
▼木曜のウチゴハンは手作りメンチ。

金曜はネバネバスパに二度目のおいなりさん。妻がアゲを買いすぎたらしい。

土曜は鮭のソテーに和風豆腐サラダにジャージャーメン。