いいとこどり!

今日は梅雨晴れの高速を縫って妻と恒例のアウトレットデートへ。買物大好きの妻が楽しみにしている年に一度の贅沢なのだ。朝方二時間ほどの現場を片づけると一目散に帰宅してシャワーを浴び11時に出発。ところどころ渋滞もあったものの13時前には目的地に到着した。いつものアウトレットとは経営主体が違う初めての場所に妻も張り切っている。
▼世間的には三連休の初日の土曜。遊園地や温泉施設を併設するテーマパークはかなりの人出である。僕らが駐車した隣りでは、車から降りて一人先に歩き出した母親についていこうとする子供たちが「あなたたちはあっちでしょ」と追い返されている。ママはアウトレットモールで一人ゆっくりお買物、パパは芋洗いのプールで終日子供のお守り。どこもいっしょだな。
▼子供が二人とも部活動に明け暮れるようになって、僕たち夫婦もようやく二人の時間を楽しめるようになった。早く産んで育て上げて正解だったな。もちろん考えてやったことじゃない。僕たち夫婦に人生設計という言葉は存在しない。尊敬する人気ブロガー女史がここ三回ほど不妊治療について書いてたけど、キャリア形成にしろなんにしろ、出産を遅らせるリスクに見合うほどの価値があることなんてそうはないと思う。まあこればっかりは神様の授かり者だ。僕らは運が良かった。
▼ついたらまず昼食と決めていたのに、妻はお目当てのテナントへ一直線。目についた服をひっつかむと迷わず試着室へ消える。昼食も、僕や子供たちの服も、まずは妻の欲望の小腹を満たしてからだ。待っている間辺りを見渡せば、昨年平日に訪れたアウトレットより、休みの分だけ若い人が多いような気がする。
▼フードコートは14時を回ってもごった返していた。買物よりランチが楽しみな僕も、席をとるのもたいへんな中で店を選んでいる余裕はない。人の列が一番少ないハンバーガーでお茶をにごす。はたして出てきた品は先日のモスバーガーよりパッとせず、写真にとるほどのものでもない。大混雑の中、慌てて口に詰め込んで慌てて席を立つ。
▼さて、今回のアウトレット最大の目的は僕の夏物購入である。なぜなら去年のアウトレットで買った一張羅のティンバーランドのポロシャツを長男にとられてしまったからだ。僕のシャツと認識していればそんなことはしないだろう。ある日妻が洗濯して畳んでおいたものがたまたま長男の目に入り、自分のために用意されたものと露ほども疑わず、平然と身につけて出ていった。その態度があまりに自然で、見送った妻は腹をよじって笑ったそうだ。
▼彼はその場で一番いいものが当然自分に帰属すると素直に信じられる幸せな感覚を身につけている。それでいて何事にも執着することがない。基本的に着るものは何でも構わない。他人と違うことが恥ずかしいとは思わないらしい。というか恥ずかしいという感覚そのものが欠落している。シャイで他人の目を気にし、人一倍欲張りなくせになんでも遠慮して人にゆずる下の子とは正反対だ。
▼もっとも年頃の子供に限らず、ムラ社会の日本では他人の目を気にするのが普通だろう。長男の方が変わり者なのだ。わが子ながら大物である。下のが僕に似たのは確かだが、上のはいったい誰に似たんだろう。

得意分野を颯爽と練り歩く妻と、最後にマンゴーかき氷を堪能する。
やっぱり妻に似たんだろうな。