夏をあきらめて

昨夜来激しい雷雨にみまわれている。梅雨明けからこっちずっとカンカン照りだったので、普通なら盛夏に涼をもたらす恵みの雨となるはずだが、工事にはマイナスだ。連休工事もまだ始まったばかり。毎年思うのだけど、無事に乗り越えることができるのかな。
遠雷に半身を起こす薄布団
▼いつのまにか誕生日を過ぎていた。いつのまにか半世紀近く年をとってしまった。小さい頃は誕生日がくるのがうれしかった。お誕生会にお友だちをよんで、晴れがましい気持ちになれる。両親やお友だちからプレゼントがもらえる。十代も誕生日が待ち遠しかった。年をとること自体が楽しみだった。輝ける未来に一歩ずつ近づくことだった。早く大人になりたかった。二十代は病気だったのでわからない。三十代になって、誕生日はそれほど顧みられるものではなくなった。
▼今は誕生日はたいてい連休工事の最中で、いよいよ誕生日どころの話ではなくなった。皇太子一家が下田に静養に行かれるというニュースを漠然と眺めながら、何年か前の夏期連休工事のことを思い出した。酷暑の屋上でたいやきクンのように焼かれた鳶たちが、命からがら休憩室に下りてきた時の会話である。空調のよく効いたその部屋には、その事業所のカレンダーが飾ってあり、ある一点をのぞいて普通のカレンダーと同じように、左から順に月曜から日曜まで並び、平日が黒、休日が赤で表記されていた。
▼まず目を引くのは週休二日制の右端の二列が縦に真っ赤に染まり、次に夏期休暇の真ん中の一列が真一文字に赤く染まっているのである。鳶が思わず二度見するのも無理はない。鳶「これ、休みの方が多くね?」僕「8月は間違いなく多いな」鳶「オレらが炎天下に外で働いてる時にこんなクーラーの効いたところで仕事してて、その上休みも給料も倍かよ」僕「いや、両方とも三倍だな」
▼実際土日から土日までの九連休の盆休みの前に準備運動のように7月に三連休があり、なおかつ我々のように毎年必ず流れて一度も使ったことのない名ばかり有給と違い、有給消化が義務付けられているので、盆正月でもないのに土日と土日の間に五連休を入れて年に何度も九連休がある彼らに比べ、鳶や土方はもちろん僕だって、そんなに長く休めるのは死ぬか死ぬほどの病気をした時以外ないだろう。
▼野球部に入った僕そっくりの下の子は、この炎天下に夏休みは一日も休まず練習だそうである。先月25日に見せてもらった通信簿は◎は体育しかなかった。下の子によると、野球部の一年生には学年の一番、二番がいるそうで、そのうちのひとりは「本をよく読んで性格もよくて言葉づかいもていねいで尊敬できる人」だそうだ。僕の子どもがそのデキのいい方じゃないのが少し不思議な気もするが、きっとこれがホントのところだろう。今のうちに将来に備えて休まず練習することだ。
▼ブログの更新が間遠になって、ウチゴハンのどれとどれを紹介したかわからなくなってしまった。

先週の月曜は長男が一回目の合宿から帰宅するということで妻の手料理でお出迎え。マーボナスにズリラー。

水曜は下の子の好物そぼろごはんに大根の煮付。

誕生日は長男が二回目の合宿で不在のためきのこパスタ。