AKB48と政党政治の終焉

昨日あたりからだいぶラクになってきた。暑いには暑いが、雲が出て陽が陰り風がある。連休工事から引き続く疾風怒涛の忙しさも今週でひとまずキリ。あと少しの辛抱だ。
▼人気アイドルグループAKB48不動のセンター前田敦子が8月27日の卒業コンサートをもってAKBとしての活動に終止符をうった。彼女がAKBを卒業することを公にし、センターを争う総選挙にエントリーしなかったのは春先のことだから「まだやめてなかったの?」というのが率直な感想である。そしてこの間ずっと、CMなどで相変わらずセンターの位置にとどまり続けている彼女を見るにつけ、「いったいいつやめるんだ?」という違和感を拭いきれなかった。
▼野田VS谷垣のちかめし解散言質闘争の本質も、党内事情や永田町の事情というより、この前田敦子シンドロームが一番説明がつくのではないだろうか。要するにやめることがわかったとたん人々の興味は次に移り、たちまち求心力が失われる。政治家は誰よりもそのことをよく知っている生き物だ。だから期間限定の選挙管理内閣だとか、期限付きの震災対応内閣などは、言葉の上ではあっても実際にはない。
▼AKBに端を発する大所帯商法は、一見新しく見えてその実全然新しいものではない。その最大のメリットは相互補完システムにあり、ひとりひとりが粒ぞろいである必要は全くないのだ。平たく言えば一種のめくらまし戦法で、我々はこれによく似た世界を知っている。閉じた内輪の世界のセンターを決める総選挙は、広く国民に開かれた総選挙というより党員と党所属議員のための政党の代表選に似ている。得票数トップとはいえ、それは他のメンバーよりはマシという消去法的選択にすぎない。
前田敦子がピンでも国民的アイドルに脱皮する可能性について、僕は否定的な印象をもっている。それは彼女がイイ女の条件にあてはまらないからだ。その条件とは、出典は定かでないが次の三つである。①目が離れていて②色が白く③男の話にいいタイミングで笑ってくれる。
このうちひとつでも外れればただのオモロイ女で終わる。彼女の場合、顔は真ん中に寄ってるわ、しゃべればネクラではっきりしないわ、かろうじて②がやっとかする程度のツマラナイ女だ。
▼彼女はこれから苦労するだろう。人気アイドルグループAKBの中でもナンバーワンの人気を誇ってきたが、その人気もAKBあってのものだということに早晩気づくことになる。組織を離れた人間に世間は冷たい。彼女が今後ピンで活躍できたとしても、それはもはや彼女個人のファン以外には関係のないことだ。AKBファンはもちろん、国民目線からすればただの泡沫にすぎない。
▼新しい指導者も新しいアイドルも、次の総理候補の七奉行や次のセンター候補のネ申7とは全く関係のないところから出てきてほしいものだ。

今日のウチゴハンはミートグラタンに豚肉の生姜焼き。ハテ、たしかどれもピッタリあてはまる女性がどこかにいたような気がして、前述のイイ女の三条件を反芻していたら僕の妻だった。