優雅で感傷的な大学野球

今週はバタバタしてブログどころではなかった。それでも日々は過ぎてゆく。週初の雨の後パジャマがトレーナーに変わり、水筒のお茶が熱くなった。夕方雨が上がった後には立派な虹が出ていたね。そして今日はもう次の雨が降っている。明日からまた一段秋が深まることだろう。
▼十三夜の翌朝の日曜版は、仏文学者の山田登世子さんが月下の愛猫との別れを寄稿していた。同じエッセイでも個人的にはペーソスのきいた三木卓さんの方がよかったと思う。情念の表出の仕方は人それぞれ自由かもしれないが、新聞のエッセイとなればそれなりの配慮が必要だろう。なんでもいいというわけではない。それこそ個人のブログではないのだ。
▼今日は降り出した雨と共に仕事を切り上げ、午後からテレビ桟敷で六大学野球秋季リーグ最終戦を堪能した。部活から帰ってきた下の子が「なにこれ、練習試合?」ときく。確かに大学野球には独特のスローな雰囲気がある。技術的にはプロに見劣りするし、高校野球ほど常に全力プレーでもない。勢いどうしてもスピード感に欠ける。それでも試合は淡々と進みいつの間にか終わっている。このおおらかさが最大の魅力だ。
▼試合は終始早稲田押し気味に進むもロングリリーフの慶応のエース福谷が好投し、白熱した好ゲームになった。七回裏慶応が一点差に詰め寄った後の八回早稲田が突き離すと、両校の応援ボルテージも最高潮に達した。早稲田の応援歌「紺碧の空」に対し、慶応も校歌で懸命にエースを支える。まさに伝統の一戦に相応しい素晴らしい試合だ。そして二季四年にわたるリーグ戦も、いつしか最終戦の最終回を迎える。
▼この試合が大学野球最後となる四年生には泣いている選手も多い。ゲームが終わりホームベース上で礼をした後、互いに笑顔で健闘を讃え合う。青春の日々を共にした者同士、彼らのつきあいは終生絶えることはないだろう。野球部応援部、先輩後輩、OBOG。自校だけでも何十人何百人という数だ。さらに交流の輪は六大学全てに広がる。これが人脈というものだ。
▼愛妻と月を愛でるのもいいが、人生の醍醐味はやはり優雅でおおらかで少しだけ感傷的な大学野球の方に分があるだろう。僕が神宮に足を運ぶきっかけを作ってくれた友も今はない。でも当時の僕は大学野球の魅力がよくわからなかった。そしてわけもわからず汗をかく友に批判的だった。
▼しかしわからなくてもわからないまま何かに身を投じないことには人生は拓けないのだ。キャリアも終盤に差し掛かった今更どうなるものでもないが、さびしい人生になってしまったな。まあ自業自得だ。これが自分のキャパだと思うほかはない。

火曜はミートローフ。

水曜はビーンズカレー。木曜は写真を撮り忘れて献立も忘れた。記憶力が減退して記録がないと何も思い出せない。

金曜はナスとピーマンの炒め物に里芋ハンバーグにチキンサラダ。

そして土曜は外食ぎらい肉ぎらいの長男が合宿で不在の隙に、妻と下の子を引き連れて1ポンドステーキを食べに行った。