ジェンダー&ザ・ゼネレーション

朝晩少し寒い気はするが、陽射しは十分に暖かい。本来の春らしい日和である。それでも4月上旬の気温だそうだ。通勤途上の桜もほぼ満開に近い。確かに例年より一、二週間早いだろうか。昨日まで真っ黒だった枝振りに、今日は忽然と白い花がついている。まるで魔法のようだ。殺風景な景色が不意に華やいではっとする。忘れていたものを思い出すような気がする。
▼子供たちは毎日元気よく部活に通っている。すっかり春休みモードだ。先日は夜遅くまで映画のハリポタを見ていた。僕が先に寝たのが22時過ぎだったので、てっきり最後まで見たと思って翌朝きいたら、二人とも声をそろえて「途中で寝た」といい、互いに顔を見合して「え、見てないの?」とびっくりしている。これもうちの子たちの特徴である。睡魔に負けて勉強できないのではない。なんにもできないのだ。
▼まず長男は物事に執着がない。よっぽど楽しみにしていたものでも眠くなればあっさり眠る。下の子の方は執着心はあるが、身体がいうことをきかない。ハリポタもまず長男が眠気を催して電気を消すと、下の子は「最後まで見たかったけど暗くなったら急に眠くなった」そうだ。どうやら睡魔に勝てずクライマックスになる前に暗いMAXになってしまったらしい。
▼僕はといえば来年度三指に入る三つの案件(結局ベスト3か)の帰趨がここ一、二週間で決する重大局面を迎えている。三つが三つとも営業担当なので荷が重いどころの話じゃないが、現場も年度末のピークを迎え身動きがとれない。社長は「昔はよく夜中まで働いたのにすっかり怠け者になったなあ」と言うが、年のせいか夜なべする気力がない。現場を閉じ最低限の事務処理をするともうガス欠だ。うちに帰って第三のビールで晩酌し、グレンマレイを舐めると意識がない。とにかく締切をひとつずつやっとのことで逃げている状態だ。
▼毎年下半期は似たような状況なのでブログだけが息抜きである。今定期的に覗いているブログは、敬愛する人気ブロガー女史の社会派ブログと東京自由人日記、それに僕と違って毎日欠かさずウチゴハンの写真をアップするブロガーと世界一周旅行中の女性のもの、山奥の老人日記にインド在住の女性、最近子供が生まれたばかりの典型的なパワーブロガー(世界旅行の女性の友人)に司法修習生らしき戦艦オタクの女性、そして父のブログなどである。
▼このうち父と山奥の老人は、思想的には右と左で真逆なのに受け取る印象はまるで同じだから不思議だ。世を憂うあまり憤死しそうな勢いである。人気ブロガー女史については今更言うまでもない。既に三冊もの本を上梓し、ブロガーとしては究極の成功者といえるだろう。世界一周の女性はこの27日に帰国予定。現在最終滞在国アメリカである。ついこの前フォローし始めたばかりのような気がするのにはや一年半。月日がたつのは早いものだ。
▼この一年半、僕は何をしてきただろうと考えると暗澹たる気分になるかと思いきや、意外にそうでもなかった。世界一周の経験には遠く及ばないが、それなりに頑張ってきたじゃないかと思えるんだから僕もなかなか捨てたもんじゃない。しかし淡々と言葉少なに妻の手料理をアップし続ける男性のブログと、多少饒舌でも僕のブログは受ける印象はやはり同じである。けして元気がいいとはいえない。どこかせつない。哀愁が漂っている。
▼インド在住の女性のブログといい、最近子供が生まれたばかりのパワーブロガーといい、元気がいいのは女性だけだ。女性のブログには感傷的なところがない。考える先に行動している。それが女性の最大の特徴だろう。

木曜はイカ大根にキッシュにスパサラにコーンスープと和洋折衷の組み合わせ。

金曜は牛丼にポテサラ。

土曜はペンネグラタンに絹揚げの煮物になんちゃってカニサラダ。そして妻が最近はまっている本日のケイク・サレはイチジクとチーズ入り。

妻も感傷選手代表の僕のおもりでたいへんだ。4月になって落ち着いたらたまにはどこかに連れて行ってやらねば。
▼日曜の仕事から戻ると気まぐれな長男が部屋の片付をしている。居間のテーブルの上には見たことのないコップが置かれている。しばらくして片付を終えた長男が部屋から出てくると「はいこれ、シンガポールのお土産」と言う。いったいいつのやねん!そのうち修学旅行で自分が買ってきたコップをまじまじと見て「このコップなかなかいいねえ。これでビール飲むときっとおいしいよ」と自画自賛しはじめる。この男も妻といっしょで感傷とは無縁の人種だな。