春と修羅

忙しくて二、三日更新しないと、もう季節の歩みについていけない。今週は寒の戻りに早咲きの桜が一息ついたかと思うと、一雨降って気温が上がり一気に満開である。見ごろはこの週末で、来週はもうもつまい。
▼女優の坂口良子さんの突然の訃報に接し、驚いた方も多かったのではないだろうか。近年になって急におバカキャラの娘さんを伴っての露出が増え、昨夏15年間事実婚状態にあったプロゴルファーJET尾崎と結婚した矢先のことである。体調を崩して入退院を繰り返すようになったのが一昨年の11月からというから、ここ一年の彼女の行動は、少なくともお二人の間では何もかも覚悟の上のことだったに違いない。僕はそこまで彼女のファンだったわけではないが、見事な散り際と言うべきだろう。慎んでご冥福をお祈りしたい。
▼さて、今週初めのことである。駐車場からうちに向かってとぼとぼ歩きながら、ふと空を見上げると、東の空にぽっかり満月が浮かんでいるではないか。先日のブログにも書いた通り、つい今しがた夕陽に向かってたっぷり一時間かけて家路をたどってきたところである。西の空に沈みゆく真っ赤な入日の残像が、まだ瞼の奥に残っている。まさに時間差「菜の花や月は東に日は西に」だ。ああ、ハイキングBUSONが見たのはこの月だ。彼が言いたかったのはこれだったんだ。
▼帰りつくと、春休みでこの時間はうちにいるはずの下の子の姿が見えない。妻によると「走りに行く」と言い残してたった今出て行ったところだという。「やっぱり」と僕がつぶやくと、妻は怪訝そうに「何がやっぱり?」ときく。「あの子満月の夜には必ず走りに行ってるよ」「動物?」「確かに動物的なところはあるな。本能的に何かに呼ばれて出て行ってしまうんだろう」
▼年度末で慌しい日々が続く。今年の暦は30、31が週末で、明けて1日が月曜とキリがいい。昨日棚卸で一区切というところも多かったのではないだろうか。僕はこの土日も年度内最後の工事。工事そのものは間に合うメドはついたが、ここひと月ほど年度末工事に忙殺されて、見積や書類がたまりにたまってしまった。
▼小さな物件なら一晩根を詰めればすむ。そういうものがいくつあっても締切を逃げていけばいい。しかし大型物件はそれではすまない。ここんとこずっと働きづめで仕事の能率は悪くなっているが、既に遅れているのに気分転換で休むわけにはいかない。完全に終わってしまうまで、夜なべから解放されることはない。
▼昼休みに戸外のベンチに座っていると、風が吹いている。皐月の微風とは違う。寒いほどではないが冷たい風だ。昨日はかなり強く南風が吹いていた。今日は東よりに変わった。明日は雨が降るだろう。紛れもない春の風である。その風に吹かれ、盛りを過ぎた花が散り始める。散り際の桜が満を持している。また新しい年度が始まる。

水曜はミートドリアに春キャベツのサラダ。木金と深夜帰宅で妻の機嫌が悪く写真なし。

そして今日は煮込ハンバーグ。