宴の後

雲が切れるとすぐに気温が上がる。陽射しは強烈だが風は驚くほど気持ちがいい。梅雨前線が北上し始めるまでは梅雨の中休みだろう。今日から7月。一年の半分が過ぎた。両親もひと月のタイ在から戻ってくる。早いものだ。
▼三週連続の日曜出勤からようやく解放され、昨日は久しぶりのホリデーサンデーだった。現説や打合せで半日つぶれたりケータイが鳴り止まない平日と違って、やはり安心感がある。と思ってたらさっそくケータイが鳴った。また担当事業所の入場カードを返すのを忘れてしまった。セキュリティに関わることなので、下請に忘れないように口を酸っぱくして言ってるのだが、ここ一、二年は自分が忘れるのをどうすることもできない。守衛さんの方から言ってくれないと必ず忘れてしまう。
▼最近本当に物忘れが激しい。人の名前や電話番号はまず覚えられない。104で今きいた番号も、メモをとらずにその場でかけようとするともう忘れている。お客さんと話していても、相手の名前を失念してしまうのでどこかぎこちないものになってしまう。単純な固有名詞だけでなく、記憶もすっぽり抜け落ちている。妻は「人の話を聞いてないからよ」と言うが、そうだろうか。写真がないと前日の献立をブログに書くこともできない。
▼物忘れだけでなく忘れ物も多くなった。現場で必ず使うもの、たとえば工事写真を撮るためのカメラを持ってくるのを忘れる。仕事にならない。持って行ったら持って行ったでその辺に置き忘れる。やはりセキュリティに関わることなので青くなるが、もう自分が置いた場所が思い出せない。翌日事業所の社員が見つけて怒られる。子供の頃は教科書や筆箱を忘れる子を「こいつ何しに来てんだ?」と不思議に思ったものだが、自分がそんな人間になるとは思ってもいなかった。それとも小さい頃はお母さんカバンに入れてくれてたんだろうか。
▼土曜は回転寿司の外食。「この金土日は一年で一番混むからもうちょっとだけガマンしよう」と、金曜こそ話していたのに、帰宅すると外食と決めた家族全員が待っている。妻は先週マヌカンに突き返したパンツをはき、最近オシャレに目覚めた長男だけでなく、下の子までおめかししている。妻の悪いところは、自分が服を買う罪悪感を、子供たちの分までいっしょに買うことで打ち消そうとするところだ。こうして僕だけがオシャレ家族から取り残されていく。
▼食い意地のはった下の子は、右手で寿司を食べながら、左手で流れて来る皿に手を伸ばすので、とうとうジュースのビンをひっくり返してしまった。妻に「ちょっと落ち着いて!」と怒られている。生魚が嫌いで、寿司なのに天ぷらうどんやいなりや玉子を食べて早々にご馳走さまする長男とは対照的に、いつまでもレーンとにらめっこしている。そのうちお腹が痛くなってトイレに駆け込みようやく終了。こればかりは誰が教えたわけでもない。僕に似た下の子が不憫である。
▼ボーナスサンデーは寿命の家電を買い替えに開店と同時に量販店に走る。チラシを見て決めておいたものを即購入。いったんうちに戻り買ったばかりのミキサーで、妻にさっそくマンゴースムージーを作ってもらう。これでこの夏の準備は万端だ。少し昼寝して再びショッピングセンターへ。寝起きで喉が渇き、ブログタイトルのGODIVAに寄って、またまたスムージーをいただく。

小さなカップがびっくりするほどの値段である。なのに長蛇の列だ。スゴイ。
▼妻はまた服を買った。僕もまた本を買った。よく妻が「お腹がいっぱいになる前に急いで食べなきゃ」と言うが、それと同じ理屈で「お金がなくなる前に急いで買わなきゃ」だ。いよいよこれで本当に打ち止めである。月が変わる前にお祭り騒ぎが終わってしまった。ところが買ってきた本が大当たりで世を徹して読み切ってしまった。興奮さめやらず、おかげで今日は仕事にならない。感想は次回。

日曜の晩餐はトマトソースのスパにドイツパン。