年越し弾丸ランナー(前編)

明けましておめでとうございます。今年もなんとかがんばって更新していこうと思うので、どうぞヨロシク。昨年末から寒気が弛み、今年は実に穏やかな正月となった。

明日からまた仕事である。仕事納めからまだいくらもたっていないが、新しい年は確実に始まっている。新年に相応しい清々しい気分だ。
▼大晦日に仕事のホコリを落として以来、三日ぶりに風呂に入り人心地ついたところである。風呂が三日ぶりなら妻の手料理は二週間ぶりだ。
キノコとほうれん草と鶏のソテー水菜添えに餅団子スープ。おせちに飽いた口には本当にうれしい。さて、文字通り駆け足だった年末年始を駆け足で振り返っておこう。
▼28日は近所のとんかつ屋で子供たちと「今年最後の晩餐会」ここ数年来の習慣である。30日は連休工事の応援にきてくれている監督四人で内輪の忘年会。お正月に食べるようなものを避けてお店を選ぶと焼肉という選択になる。世の中は既に休みに入っている。そして考えることはみんな同じだ。焼肉屋はどこも家族連れで満席である。やっとのことで腰を落ち着けた頃には20時を回っていた。
▼気心の知れた仲間との語らいは格別だ。仕事を一日残しているのについつい杯が重なり勢いがついてしまう。街は年末らしく若者でごった返している。みんなと別れ、雰囲気が大竹しのぶにちょっと似た、ゆっくりしたママがやっているバーに寄り、最終に間に合ったまではよかったが、降車駅までの1駅が辛抱できず、寝落ちして5駅も乗り越しタクシーで引き返す羽目に。酔っぱらった時はシートに座っちゃダメだね。
▼気を取り直して大晦日の仕事を済ませ、最終のひとつかふたつ前の新幹線に乗る。この時間なら帰省ラッシュも過ぎ、ラクに座ることができる。乗換駅でケータイを上着のポケットに入れたまま網棚にあげたと思っていたが、着いて上着を着てポッケに手を突っ込んでもない。以前東京出張で失くしたことがあるので落ち着いたものである。慌てず騒がずそのまま改札を過ぎ遺失物係に向かい、係員に乗ってきた2つの新幹線の時間を告げて終着駅に確認を入れてもらう。
▼結果は乗り換える前の電車の終点に届いていた。係の人に「お客さんついてますよ。こんなにうまく出てくること滅多にないですもん」と言われるが、慣れたものである。着払いで自宅に送ってもらうよう手配する。俗に「事故慣れ」という言葉がある。事故が多くなれば事故処理もうまくなるものだ。アタリ屋のような故意ではないにせよ、他人様に迷惑をかけていることに変わりはない。反省。
▼タクシーで妻の実家に向かう。運ちゃんのほんの一言二言の訛りに帰省の実感がわく。人口百万の政令市の中心街のはずが、沿道にはコンビニの照明だけが点々と灯る。大晦日の深夜帯という時間を差し引いても随分サミシイ光景だ。都市計画により立派なハコモノがいくら建てられても、繁華街が寂れていれば栄えているとは言えない。人口百万だろうと政令市だろうと、ここは中央から遠く離れた地方であり田舎なのだ。象徴的な意味で若者や現役世代が暮らす場所ではない。
▼なんとか紅白がやっているうちに年越し蕎麦にありつけた。お義父さんお義母さんも特に変わりなかった。つづきはまた明日。