やっぱりあなたはわかっていない。でもいつもそうだった

今日子供の日は予報通り午後から雨が降り出した。GW前半にもまとまった雨が降ったばかりなのに、雨のサイクルが早い。
▼連休2日目の昨日はアウトレットモールを目指して朝9時に出発。GWの遠出は渋滞するので電車で移動するつもりだったが、過去ログを見ると去年もすんなり隣県の美術館に行ってることを発見。高速にのったとたん降り口に延々車が並んでいてヒヤッとしたが、潮干狩目当ての観光客と気づいた。途中事故渋滞があったものの自然渋滞はなく、概ねスムーズに流れた。むしろ渋滞にハマってる間は、窓を全開にできて気持ちよかった。
▼妻は道中コーヒーとお菓子を用意して万全の態勢である。「○○さんスピードカメラでやられたらしいよ。いきなり自宅に何月何日何時何分に何キロオーバーってハガキがくるんて」と話している。走行車線専門の僕には関係ない話だ。追越車線で後ろからあおられるととても怖い。そういう走り方をする人とは人種が違うと思う。刑事ドラマ好きの妻は続ける。「今はどこに逃げても捕まるね。オービスもあるし、街中防犯カメラだらけだし」
▼確かに今は犯人がわからないということはないだろう。逆に言えば今犯人が捕まらないことの意味は、何かの理由があって逮捕できないということになる。例えば日本と政治的に微妙な関係にある国籍の外国人。ゴビンダさんなら超法規でぶち込めても、某国の人なら慎重にならざるをえない。あるいは組織犯罪で実行犯を挙げてもさほど意味がないとか。餃子の王将社長射殺事件、世田谷一家殺害事件…これらはもう迷宮入り確定だ。
▼妻の話をきいて心配になる。越してきた日に渡されたガス漏れ検知器も監視カメラじゃないかしら。組織に属さない個人の人権なんてないに等しい。我々は完全な監視下のもと、愚にもつかない平凡な人生だけを許されている。例えば家人が寝静まった後に自分のブログを読んだり、エロサイトを見てオナニー(どっちもだが)したりするのはOK.我々に許されている自由なんてその程度のものだ。元CIAのスノーデン氏が暴露したのはそういうことだ。
▼「おなかが空くと買物に集中できない」到着するなり妻は食事を提案。お昼時のモール内のフードコートは物凄い行列で、ざっと待ち時間1時間半コースだ。だが隣接施設との境界の向こう側にあるフードコートはガラガラ。チケットがあるわけでもないのに人間心理は不思議なものだ。グルメが目的ではないので即すいている方に向かう。このアウトレットも三度目の僕らはもうベテランの域である。
▼いつも春秋ものがなくて困っている僕の服を買いにきたはずが、着いてみると妻に「もう暑くて着ないよ」と言われ「ならいいよ」と結局いつものように妻と子供のものだけ購入する。50%オフの、さらに20%引きで、カード会員はそこからさらに5%引きと破格のバーゲンセールだが、最終的な値段が適正な価格のように思える。昨年の優勝セールをきっかけに問題視されている楽天商法も、つまりはそういうことだ。
▼一回りして帰りのピークが来る前に退散し、帰りは行きよりもっとスムーズに帰宅。アウトレットが安いといっても高速代を考えれば定価で買うのと同じこと。その定価が水増価格なら、結局は損だ。全国各地に点在するアウトレットモールのカラクリも見えた。高速道路でしか行きようのない丘陵地を切り開いてできた人工のブランド島に、何も好き好んで運ばれてくる必要はない。ああ、地方人は不自由だな。もうここに来ることもないだろう。
▼最終日(僕)の今日は朝から一日うちにいた。午前中、ジュリアン・バーンズの「終わりの感覚」を一気に読みほす。痛みにドストライク。これオレ?まさにイギリス版オレだ。てことは僕にもブッカー賞の可能性が…あるわきゃないね。日本にも墓碑銘の習慣があれば、僕の墓碑銘も「ついにわからなかった男」あるいは「勝手にした男」または「毎日が日曜日」がふさわしいかも。



連休中のウチゴハンは3日が稲庭風うどん。4日は和風パスタ。5日は豚丼。それぞれサラダ付。また明日から「平均的な男」の日常が始まる。