代休の一日

梅雨空が広がっている。晴れていても白く霞んだ空だ。蒸し暑い。今日は日曜出勤の代休。代休を取れるのも今のうちだ。先週は月に二回の会社の土休の日だったので、両方出たから連休にしてもよかったのだが、土日とも半日仕事だし平日もほぼ開店休業状態なので、とりあえず一日だけ休むことにした。気が小さいわ。
▼ここんとこヒマすぎて電話もメールもほとんどなかったのに、代休の日に限って朝からケータイが鳴りっぱなしだ。午前中パートの妻を待つ間、月イチの無呼吸の経過観察に。もうここ一年以上、妻に代わりに行ってもらっている。本人が行かないのだから経過観察もなにもない。単にシーパップのリース料を納めているだけだが、病院がそれでいいと言うのだ。こんなことをもう3年近く続けている。
シーパップは小型のコンプレッサー付マスクのことだが、買い取りなら十数万するそうだ。家電量販店に慣れた目にはとてもそんなにするとは思えない。どんなに高く見積もっても、0がひとつ多い。それが証拠に帝人の担当者は機械を届けたきり3年間一度も顔を見せない。本当に高価なものならこんなことはないはずだ。機械を持ってきた人も、おそらく代理店をやっているだけで、帝人本社とはなんの関係もないだろう。
▼無呼吸は治るものではない。生まれつき扁桃肥大だったり鼻が悪かったりして覚醒していないと息が止まるところを、眠っている間は強制的にコンプレッサーで空気を送り込みましょうという対症療法だ。つまり本人がやめると言わない限り治療は半永久的に続く。確かにやり始めて運転中に眠くなることは少なくなったような気はする。いずれにしろ自分の健康に関することを自分からやめるのはかなり勇気のいることだ。
▼今日、一年ぶりに本人が受診しにきたというのに、医者は僕の顔も見なかった。診察室に通されて、血圧を測っただけである。最初のうち鼻炎薬や中性脂肪を下げる薬を出していたが、僕が「いらない」というと顔も見なくなった。儲からない患者と思ったのだろうか。月五千円の年六万円。保険診療なので実際には年間20万相当の金額になる。レセプトには初再診料125点、在宅医療1460点となっていたから、9割方帝人に入る仕組みだ。機械が額面通り十数万するとしても、一年で十分に元がとれる勘定である。
▼このように企業丸儲けのシステムは簡単に保険診療になるというのに、例えば先日の下の子の新聞の切り抜き記事のように、本当の在宅医療のための訪問診療の点数は低く抑えられる。あるいは不妊治療、不育(流産しやすい)治療はなかなか保険適用にならない。こういう事例をみると、弱者のセーフティネットであるはずの社会福祉分野でさえ、官僚はいかに企業にお金を流すかで頭がいっぱいかがよくわかる。これもアベノミクス起爆剤と期待される医療サービス分野の成長モデルの一例なのだろうか。
▼そういえば先日、食品の特保表示が緩和されたというニュースを見た。効果の検証を厳格に行わずとも効能をうたって構わないという規制緩和だから、これも消費者より企業を利する施策である。そんないい加減な運用が許されるなら、集団的自衛権で政府がいろいろ想定する事態も現行法の範囲で十分可能だろう。「現行法ではできないんですっ」ってアベチャンがそこまで力むのなら、より上位の憲法の解釈も厳格であるべきじゃないのかな。全く筋が通らないことばかりだ。
▼約束通りお昼に帰ってきた妻とランチデート。お目当ての魚定食の店が定休日で空振りの後も和食店を探して天丼にした。

いったん口がそうなってしまうと、もうイタリアンとか中華とかジャンルごと変えてしまう気にはどうしてもならない。
▼買物の後うちに帰ってひと休みして、昼前に回覧されてきた客先の担当者の親族の通夜に向かう。確か今週末で退職される予定だったが、このまま忌引きで退職されるのだろうか。焼香をすませて葬儀社の入口で同業者と立ち話していると、偶然社長もやってきた。明日、もう一度告別式に出席する。きっと雨になるだろう。

昨日はジャンボハンバーグにナスのおろしびたしにポテト。

今日は明太アボガドスパ。