どっちがマトモ?

台風一過のピーカンである。おそらくはこれで梅雨明けだろう。日中はグングン気温があがったが、朝は室内にいい風が入っていた。下の子がいつまでも気持ちよさそうに寝ている。「学校は?」と思ったら台風で休校だった。
▼昨晩は台風対策要員で担当事業所に待機。昼間の予報では、夜中から明け方にかけてが一番激しいということで徹夜も覚悟していたが、上陸して水分補給が断たれた台風は、加速度的に小さく弱く速くなっていく。ピークの21時頃に雨も風もなかったので自宅待機に切り替えた。
▼そして今日は朝から挨拶まわり。今年度三大物件のうちのひとつがなんとか決まったので、その御礼である。今朝のめざまし占いはめずらしく1位で「交渉ごとに吉」と出ていたが、交渉は昨日のうちに終わっていたのだった。まあだいたいあってるか。絶対にはずせない取れて当たり前の既定事項だが、気分は悪くない。
▼一昨日は下の子の誕生日。15才になった。日曜にステーキを食べてメガネを買った時には、それが誕生祝いだと本人も納得していたのに、誰に何を吹き込まれたか「メガネが誕生プレゼントとかおかしい」と言い出した。放っておくと台風で途中下校になった昨日、手持ちのゲームソフトを全部売って新しいゲームを買ってきた。これが欲しかったんだね。わかりやすい子だ。
▼孫の誕生日にめずらしく母が電話してきた。自分の言いたいことを一方的に話すだけなのは相変わらず。妻も相槌を打つだけで会話にならないと言う。一昨日は眠っていて話すことができなかった下の子も、「オレも負けないように隙を見て言いたいことをワーッて話すけど、おばあちゃんがきいてるかはわからん」といつも言っている。
▼耳が遠いのかもしれないとも思うが、思い込みで話していることが大きい。いずれにしろ老化に伴う症状には違いない。彼女は自分の想い描いている息子、嫁、孫と話しているのであって、実際の相手をみようとはしていない。相手の声に耳を傾けようとはしない。オレオレ詐欺にあう老人は、こういう人なのだと思う。心配だ。
▼今夏使い始めたばかりのクーラーが、まだ幾日もたっていないのに調子が悪い。スイッチを入れてもルーバーが動かない。強引に上に向けた状態でテープで固定し、強制的に動かすものの、朝起きると止まっている。暑さに弱い妻が不安がるので買い替えることにした。1999年製なので壊れても不思議はないが、思わぬ出費である。
▼そして夕方長男が帰ってきた。中学の同窓会があるらしい。らしいというのは、彼はもう直接には妻としかコミュニケイトしないので正確なことはわからないからだ。根がセコイので、「何が同窓会だ。あとちょっとで夏休みなのに交通費がもったいない」とつい思ってしまう。こういうところが彼をして、無意識に僕を敬遠させることに与っているのだろう。
▼自分の物差しと違うからといって、彼の行動そのものを縛るわけにはいかない。どうせ無い袖は振れないのだ。際限なく甘やかすことなんてできやしない。子供が自分の思うような人間ではないとしても、それは仕方のないことだ。自分の若いころのことを思えば、考えのない人間なのも仕方がない。
▼明日は下の子の夏の大会三回戦だ。「応援に行く」という上の子とその友人たちを、妻が車で連れていくらしい。ここにも「何が応援だ。ただのヒヤカシじゃないか」と思う僕がいる。しかしここまでくると、もうどっちの感覚がマトモなのかわからない。子供の最後の大会を応援するために、会社に休暇をとって観に行くお父さんもたくさんいる。「そんなことのために仕事を休めるわけない」という感覚の方がおかしいのかもしれない。

誕生日はアボガドクリームスパにフルーツタルトのケーキ。

不思議なことに買い替えると決まったとたんクーラーが効き始めた。つい「買って損したじゃん」と言うと、妻がくってかかる。「じゃあ完全に壊れた方がいいって言うんね。この暑いのに新しいのがくるまでもってよかったって思わんの?変わった人やわ」妻の言う通りだ。