おうちで夏合宿

明日から8月。夏の盛りである。暑さにもいろんな質があって、数字上の気温と体感温度は全然違う。湿度や風の影響はあるが、それだけでもない。例えば風はあった方がいいが、湿気を含んだ熱風だと参ってしまう。空気が乾燥していても、直射日光に当たればダメージは大きい。室内の方が暑い日もある。
▼大型工事が始まって以来、ここ数日そんなことばかり考えている。それくらい乗り込みの土曜はひどい一日だった。日、月とだんだん楽になり、そこからまた少しずつ暑くなり、昨日もかなり暑かったが、10時から15時の間事務仕事をしなければならず、それほどきつくはなかった。クーラーの効いた部屋で仕事をする人は、一日中外で仕事をする人のつらさを本当にはわからない。僕も自分は暑さに耐性があるなんて書いたが、一生肉体労働する人とはもちろん条件が違う。
▼夏休みで上の子が帰ってきた。どうせ友だちと遊んでばかりで家には寄りつかないだろうと思いきや、そうでもない。なんでも「遊ぶ金がない」そうだ。それで特に不平不満を言うわけでもなく、うちでテレビを見たりゲームをしたりして、三食妻の手料理を満足そうに食べている。昨日も「せっかくだからみんなで食事でも行こう」と誘っても、「うちの方がいい」と動かなかった。元々外食嫌いの上、あまり食に執着がないので、おそらく向こうではろくに食べてないのだろう。
▼入学してすぐに部活をやめた彼が言うには、来年今の大学から地元の大学に編入したいらしい。僕はこう答えた。もうやめると決めている大学に居続ける感覚がわからない。編入資格を得るためだけに後期の授業料を納めるのもムダなら一年近くも青春の時を浪費するのもムダ。教師になりたいなら、答えは今すぐやめて受験勉強だろう。そのためにやり直す時間はムダではないし、若いうちの一年や二年はなんでもないと。
▼すると彼はこういった。受験勉強はしない。今までしたこともなければ、どうしていいかもわからない。この先そうすることで(授業料が安いというメリットのある)国公立に受かる気もしない。自分が教師になるには、多少割高でもこの方法しかない。迷惑をかけることを承知でお願いしたいと。
▼確かに何年も浪人して予備校に通うことを思えば、割安の国公立でもコストはグロスでトントンかもしれない。しかし勉強しろなんて言ったこともないのに、いったいどんなトラウマが彼をしてここまで勉強することを忌避させるのか、その理由が知りたい。ここまでくると、ちょっと勉強する方がよっぽど簡単なことのように思えるのだが。
▼今朝の日経に、シェアハウスに外国人の出入りを自由にすることで労せずして英語を学習することを思いついた若者を紹介する記事が出ていた。友人とお金を出しあってシェアハウスを運営したその若者は、首尾よく外資系企業に転職したという。倹約し苦学して英語を習得した世代からすると、隔世の感があると記者は書いていた。上の子も、労せずして教師になる方法があるのなら、敢えて苦学することを不思議に思う世代なのかもしれない。
▼とにかく何かをしたいとか頑張りたいからという前向きな動機なら援助もするが、勉強したくないからというマイナスの動機に対して応援する気にはなれないと言っておいた。それでも自分の気持ちを伝えたことで満足したのか、それ以後むしろ安心した感さえある。もしかすると、最終的には僕が自分の望みをきいてくれるものと信じきっているのかもしれない。
▼部活のない下の子も夜はうちにいることが多い。前にも書いたように、この炎天下に一日中陸上と水泳をやって疲労困憊し、僕が帰ると大の字になってピクリとも動かない。それからもそもそと起きだしてゴハンを食べるが、あまり食も進まない。昨日は下痢をして何度も便所に行っていた。オーバーワークは明らかだ。こんな状態でこの上野球塾なんか行って大丈夫だろうか。
▼さて、恒例の通信簿だが、苦手なはずの社会が一気に5になっていた。新聞の切り抜きレポートが高評価だったらしい。歴史では「稲作が富が争いが」「織田信長って誰?」状態だったのだから、子供の学びというものが、いかに意欲次第かがわかる。上の子も、もう少しうまい導き方があったかもしれない。苦手な国語はとうとう2になっていたが、感受性の強い子なので心配はしていない。
▼現在の寝床は、寝室でシングル2つに僕たち夫婦、居間でダブルに兄弟という割り振りである。お風呂は僕たちバカ3人が水風呂でお風呂プールした後、妻が沸かして入るパターンだ。そんなこんなでこの暑い中、急に狭いわが家の人口密度が上がり、さながら夏合宿の様相を呈している。クーラー取り替えててよかった。個人的にはシェアハウスより断然夏合宿の世代である。

火曜は上の子のリクエストで餃子。下の子と僕はあまり好きな方ではない。

昨日はネイルハヤシ。

そしてそのネイル。