笑いの精神の故郷

この三連休は結構前から雨の予報だったが、天気の崩れが早い。明日は冷たい雨になりそうだ。これから一雨ごとに冬の空気に入れ替わっていく。もう11月。今年もあと2ヶ月だ。
日本シリーズソフトバンクの優勝で幕を閉じた。繰り返しになるが、もう11月だ。随分遅くまでやってるという印象を拭えない。他チームに所属する大半の選手が既にシーズンオフになってから、さらにひと月近くも働く選手たちは、体力的にも気持ち的にも大変だと思う。セリーグクライマックスシリーズ阪神が間違えて出てきてしまったが、パも危なかった。
▼新聞紙上でも3位ねらいの日ハムを例に「リーグ優勝の重みがなくなる」と現行制度に疑義を唱える記事が見られたが、大リーグだって昔からワイルドカードから始まる長いポストシーズンが盛り上がってるんだから一概には言えない。要はファンが受け入れるかどうかだろう。いっそのこと阪神対日ハムのシリーズになっていれば問題点がはっきりしてよかったかも。
▼それにしても阪神はへぼかった。選手の調子とチームの勢いからいって、戦前の予想では阪神有利が多かったはずだが、第2戦で勢いをとめられるとあとはズルズル四連敗。特に終戦の第5戦、中四日のメッセンジャーと心中の八回裏と、最終回サファテの乱調で棚ぼたの満塁のチャンスに、クリンナップにマートンの姿がないのには驚かされた。これじゃ「ベンチがアホやから野球できへん」と言ってエモヤンがやめてしまうのもわかる。
▼しかし阪神はそろいもそろってブサイクだな。助っ人と鳥谷以外はみな吉本新喜劇だ。ソフトバンクがマンガみたいな顔のMVP内川以外ほぼイケメンなのと対照的である。たしか29年前の初優勝の時も、掛布や岡田の顔がひどいという話になった記憶がある。大阪ではほんこんみたいな顔が当たり前なのだ。
▼対するソフトバンクは監督からして男前である。だが秋山監督の出身地、熊本ではけしてめずらしい顔ではない。僕の東京の遊びの師匠N先輩をはじめ、みんなこんな顔だ。もうひとつの系譜は殿こと細川護煕元首相顔。女性は森高千里みたいな顔が普通に歩いている。宮崎美子や斎藤慶子(二人は親友)も熊本出身だ。ああ例で年代が知れるね。とにかく熊本は顔立ちのいい人が多い。
▼主観的には、美人が多いのはこの熊本と静岡。全国でパンチラ写真を撮ってきたナンパカメラマン佐々木教さんもそう言ってたな。原因はやはり殿さまが美人を集めたということなのだろう。駿河美人と三河ブスといって、徳川家康が本拠地を移動する際に美人をみんな連れていってしまったらしい。秋田美人もそうだという話を聞いたような気がする。ブスが多い地域については、キワドイ話になるのでやめときます。
▼そのあと中川家特集のアメトークを見る。弟礼二の形態模写から、ラストの大阪守口市の里帰り訪問までさんざん笑わかしてもろたが、二人が育った集合住宅を見て考えさせられた。そのタクシー会社の社宅は、公団のような鉄筋コンクリートではないプレハブ造のアパートだった。二人はそれすら「キタナイ」「コラ、住んではる人おるんやで」と笑いのネタにしていたが。
▼そのあと二人はご近所のますだおかだのますだの新築の実家に寄って、お母さんに「この家ますだに建ててもろたんですか?」ときいていた。麒麟の田村は「ホームレス中学生」を書いた。次課長河本とキンコン梶原の実母が最近まで生活保護を受けていて問題になったのは記憶に新しい。ひと口に貧乏と言っても彼らの貧乏は群を抜いている。それはまさに生活保護が現実的なレベルだ。だが大阪ではそれはめずらしいことではない。
▼彼らがお笑い芸人として成功したのは、有名になって貧乏から抜け出したい、金持ちになりたいというハングリー精神というより、笑いのセンスのおかげだと思う。目の前の現実をおもしろがるしかないほどの貧困。お笑いの故郷はそこにある。笑いの精神は、そういうところから生まれてくるものだと思う。

火曜はピーマン肉詰。

水曜は秋刀魚の塩焼。旬のものは本当においしい。

そして今日はヨガカレー。