TVの国

寒さに備えて今週からヒートテックをを着ていったら、思ったほど寒くなかった。この先しばらくはこれくらいの陽気が続くらしい。やはりエルニーニョの年は冷夏暖冬か。去年はサンマが不漁だったが、今年はいつまでも立派なものが出回っている。毎年同じことの繰り返しのようで、年々に違いはあるものだ。
▼見積&書類生活も四週目。単発の工事を除いて、もうひと月近く現場がないことになる。日がたつのは早いな。一日中事務所にいれば、たいていのことはやれてしまう。現説や打合せで途中外に出ることがあっても、ほぼ定時にあがることができる。建設業界は今、空前の人出不足。人間関係を壊さずに、いかに目先の仕事を断るかが肝要だ。僕も社長に「余計なことは一切するな」と厳命されている。
▼日銀が追加緩和策を発表し、円安株高傾向の下で国会でアベノミクスの検証が行われている。それって公平な審議になるの?と思わないでもないが、人手不足は建設業に限ったことではないらしい。僕の会社は毎年地元の工業高校に募集をかけているが、ここのところエントリーがない。雇用状況が改善すれば、3K職場はどうしても敬遠される。こんな状態が東京オリンピックまでは続くと言われている。
▼失われた20年の耐乏生活に慣れた身には俄かには信じがたい話だが、僕がこちらに越してきて11年、東京オリンピックまであと6年と考えれば、この仮説にも現実味がわく。たぶんあっという間のことだろう。この間リーマンショックがあり、東北大震災があった。世の中は大きく変わったとも言えるし、言うほど変わらないとも言える。アベノミクスが6年もつかというより、6年もつマジックかと言った方が正確だろう。景気の良し悪しなんてイリュージョンみたいなもんかもしれない。
▼さて、定時で帰ればほぼテレビ三昧である。夕方の各局ローカル→7時からのバラエティ帯→9時からのドラマ帯→11時からの深夜帯と、ほぼつけっぱなしである。7時からは月曜にテレ朝の「おためしかっ!」火曜が日テレの「火サプ」水曜はフジの「おじゃまっぷ」木曜がテレ朝の「黄金伝説」と完全にフードバラエティに偏っている。池上彰や林先生の教育バラエティやダイエット、健康バラエティの類はおもしろくないので見ない。自分もこんな風に人に教えたがってないか気をつけよう。
▼8時からは水曜の日テレ所ジョージの「笑ってコラえて」。「朝までハシゴ酒」や「日本全国名前の旅」など秀逸な企画が多い。特に昨日のマラソンジャンキー小野さんは特筆モノだった。木曜はテレ朝沢口靖子の「科捜研の女」。ここだけ刑事ドラマがバラエティ帯にズレているのは彼女の清潔感によるものだろう。金曜はTBSの「ぴったんこカンカン」。安住アナはもう単なるキャスターではない。タイプは違えど若くして既に久米や古館、みのクラスと言っていいと思う。
▼9時からのドラマ帯は刑事ものがほとんど。視聴率を考えれば一話完結の勧善懲悪ものが堅い。火曜フジの「全てがFになる」と「素敵な選TAXⅠ」は連続見。水曜テレ朝の「相棒」は鉄板。木曜の「とんねるずのみなさん」はすっかり見なくなった。奴らのおふざけにはもうウンザリだ。「ドクターX」も見ない。米倉涼子ってそんなにいい女かね。金曜もなし。二時間サスペンスがあれば見る。山村紅葉はどのドラマにも必ず出てるけど山村美沙の遺言かな。
▼こうしてみるとほとんどNHKを見てないな。見るとしたら深夜11時からの「ドキュメント72時間」と土曜11時からの「SONGS」くらいかな。ちなみにうちの家族の好みはと言うと、妻は刑事もの。下の子は「ドラえもん」と「ダーウィン」と「志村動物園」。上の子は芸能人がスタジオのセットでゲームするような完全にTVの中で完結したバラエティを好む。一番嫌いなのは旅番組。人気の食レポにも全く興味を示さない。
▼我々がテレビの旅番組や食レポを見るのってどういう感覚だろう。テレビを見て実際に行ってみようと思うのか、あるいはテレビを見て行った気になるのか。よくよく考えれば、どんなにキラキラしていてもテレビはテレビ。上の子が好むなんの意味もないスタジオの中の閉じた空間も、世界の果ての秘境も、自分の実体験でないことに変わりはない。ましてNHKを見て世の中がわかった気になってもしょうがない。でも昨日の「笑ってコラえて」の小野さんは見てほしかった。

火曜はスパニッシュオムレツにミネストローネ。

水曜は豆腐ハンバーグ。今日はヨガカレー。僕らのおなかにすぐに消えてなくなってしまうが、妻の手料理はイリュージョンではない。