ユーは樽美酒?

一雨毎に寒波がやってくる。今日はこの冬一番の冷え込みだった。強い北風がいっそう寒さを際立たせる。なんだかんだいって師走の忙しさである。たいした予定がないようで、やるべきことをやっていると定時にはなっている。
▼月曜は午前中担当事業所の、午後から別の事業所の雑工事であっという間に終了。火曜は朝から雨の中生コンを打っていたら、現説を一件完全に忘れてすっぽかしてしまった。慌てて関係各位に謝って回る。午後から会社に戻って事務処理。夕刻、来春の統一地方選に向けて地方議会議員の決起集会に。
▼来賓に、地方財界のドンと首長夫人が挨拶にきていた。議員先生もそれなりに立派な人なのだろうが、この二人の前ではほんのひよっこにしか見えない。よくテレビで芸能人の格付チェックなんかやってるが、人間の格というものは別に試験なんかしなくても一目瞭然である。普通の人とは発しているオーラが違うのだ。
▼このドンを、僕はこちらに越してきた10年以上前に初めて間近に見てその迫力に驚いた。御年とって85才の今も、10年前と全く変わらない。若く見えるというのではない。気力の充実ぶりが凄まじいのだ。昨日政界引退を表明した石原慎太郎氏もそうだが、人間負けん気の強さだけが長寿健康の秘訣だと思う。彼はこの75才から85才までの間に自分の会社の売上を2兆から3兆にした。あと10年経営の一線にいて、もう1兆積み増す可能性は十分にあると思う。
▼首長夫人も10年前からこのような場で何度かお見かけしている。こちらも10年前から全く変わらない。線が細くて品がある。この辺では有名な名家のお嬢さんだそうだ。挨拶の中で、結婚して15年になると言っていた。父も地方議員だとも言っていた。彼女はもう15年も、支援者を回り、このような場にご主人の代理として出席する生活を続けているのだ。それが苦にならないのは父親の背中を見て育ったからだろうか。政治家本人もその家族も、こうした後援会活動が政治家をやめない限りついて回る。僕にはとてもできない。全く感心するほかはない。
▼今日はアサイチで昨日のコンクリートの雨養生のシートをたたみに行く。昨晩は風の音がすごくて飛ばないか心配だった。続けて担当事業所の現説。ずっと下準備していた物件だが、競争入札なので受注できるかは五分五分。担当者の方に「とれなかったらごめんなさい」と言っておいた。続いて冬休み工事の打合せの後、昼前にもう一件雑工事の現場を納める。午後から会社で見積の後、夜は担当事業所のクラブチーム後援会の納会に出席。
▼出がけに、日曜に新調して裾を直したズボンを広げてびっくり。半ズボンかと思ったよ。年々ウエストのサイズは大きくなる一方。足は短くなるわけではないが、元々短いのでどんどんバランスが悪くなる。下の子に「これ半ズボン?」ときくと「長ズボン」という答えが返ってきたのでほっとする。一般に子供、特にうちの子どもたちは正直なので信じていいと思う。
▼ホテルでの納会が散会した後、本来なら担当事業所の役員以下管理職がほぼ全員出席している会合で、どなたか二次会にお連れしないなんて営業として嘘だろう。でも僕はまだその器じゃない。具体的にその場でさりげなくお誘いするスキルもないが、それ以前に相手にいっしょに飲みたいと思わせるだけの人間ではないのだ。
▼みんなが相手の人と成りを見ている。お金が足りなかったらどうしようなんて思ってるうちは人なんか誘えない。「こいつについていけばおもしろそうだ」と思わせるには、いろんな意味で余裕が必要だ。まずは形から。大谷翔平選手ではないが、年に一着ずつスーツを作る。次にカード払いができるようになる。そのためにはもっと会社で偉くなって昇給しなければならない。自分自身が全体に底上げされないと、ただ単に会合に出ればお客さんをお誘いできるわけではない。
▼反省会は一人が似合う。妖艶なママの店にしようか大竹しのぶママの店にしようか迷ったが、例の音のないバーに。グレンバーキンの10年と23年と26年をこの逆にいただく。26年にある甘みが23年から消え、10年では水っぽくなったと思ったらホントに水で薄めているそうだ。最後にお気に入りのラガブーリン16年を飲んでチェック。外は寒いが、バーまでの道よりはバーからの道の方が心なしか暖かく感じる。
▼26年のボトルには1983年とあった。僕が高校生の頃だ。つい昨日のような気がする。ウイスキーも人も熟成が必要だが、この間僕は全く成長しなかったことになる。置けば美酒になるのかな。

月曜は角煮オムチャーハンに長ネギと鶏のシチュー。男三人絶賛の妻の得意レパートリーである。妻も三バカの世話でたいへんだ。