初秋の一日

ゲリラ豪雨というのだろうか。雨の降り方が尋常ではない。突然バケツを引っくり返したような大雨になり、なかなか弱まらない。そんなのが一時間も続けば道路は冠水する。二、三時間も続けば避難勧告だ。秋雨ってこんな降り方だったっけ。
▼大型物件は今月からようやくプロパーの監督が着任してホッと一息。しかし他にも懸案があってなかなか休むことができない。常に、何かしら心配事があり、気が休まらない。ストレスフルなことこの上ない。そんな時は「それが生きてるってことよ」という若き日のマドンナの言葉を思い出すようにしている。達観したら、人生そこで終わりだ。
▼今年は大型物件が成績から切り離されない代わりに、いきなりノルマが五倍になった。社長からは「人生を変える最後のチャンス」と言われている。確かに今の社長が退任すれば、僕より若い役員の誰かが社長になる。今の成績じゃ最年長世代の僕に居場所はない。それまであと2、3年。残された時間はそんなに多くない。僕もそんな年だ。
▼秋の長雨の最中、スポットで晴れた土曜は退職された客先の担当者にお礼の飲み会。在職中はどれほどお世話になったかわからない。可愛がってもらった同業者二人を誘って四人で焼肉を囲む。四人中二人がお酒が飲めない人で拍子抜け。焼肉だけでお開きになり、残る一人ともう二軒居酒屋をハシゴする。
▼女っ気なし、かといって渋くシングルモルトをやるわけでなし、男二人でひたすら飲み続ける。たまにはこんな飲み方も気持ちいい。生ビールなので、相方はいったんトイレに行きだすとほぼ一杯毎に席を立つ。飲んだ分だけ出ていく感じだ。対する僕は三軒で一回こっきり。年をとって代謝が悪くなってるのかな。でも彼は僕よりかなり年長だ。
▼三週間ぶりの休みの日曜は、朝から早くも雨模様。前日のお酒が残って二日酔いがヒドイが、習慣で早く目が覚めてしまう。英検の下の子、就職試験の上の子が相次いででかけてゆく。今日は税務署だそうだ。「ネクタイの結び方忘れた」と言いながら何度もやり直しているが、慌てるそぶりもない。相変わらずマイペースで悲壮感のかけらもない。
▼「雨の日曜は混むから」と妻に急かされながら近所のショッピングセンターのブックカフェに開店と同時に乗り込む。忙しくて夏以降読書欲は低調だ。もう少し秋が深まってくれば、また違ってくると思う。書棚に向かうこともなく、椅子に座ったままひたすらボーっとして時間を過ごす。赤ちゃん連れのパパが目立つ。ママは買物してるのだろう。どこもいっしょだ。
▼午前中いっぱいカフェでゆっくりしてから、農協の即売所に向かう。道中の田んぼは、早稲が色づき頭を垂れている。店内に入ると主役は無花果にメロン、りんごにナス。お魚コーナーにはタコにサンマ。すっかり秋の風情だ。サンマは一尾250円。先週は300円だった。食べたいけど、もう少し待とう。
▼この先、もう30度を超えることはあるまい。雨模様なので足元がいいような恰好で出てきたが、短パンにサンダルでは肌寒い。うちに帰って「足元が冷える」というと、妻が「暑い!あんたおかしいんじゃないの?」とおっしゃる。やっぱり代謝機能が落ちているのだろうか。
▼ザアザアと音を立てて雨が降っている。昼でも室内は薄暗い。まるで神様が夏の残滓を洗い流そうとしているかのようだ。今は何かが終わり、何かが始まる前のニュートラルな時期だ。たとえそれが下り坂だとしても、新しい季節に向かって僕も一歩を踏み出さなければならない。

水曜はそぼろごはん。木、金とヨガカレー、ヨガガパオで写真なし。

会合の土曜はケークサレ

今日は明太クリームパスタ。上の子はほとんどうちで食べないので、妻は僕と下の子の二人分のソースを用意していたが、気まぐれな上の子が「今日はうちで食べる」と言い出して、割を食った僕だけ和風スパに。