存在と時間

晩秋の今日は雨と雨の間の暖かい一日となった。もっともこのところずっと暖かいので、小春日和とはいいにくい。明日は冷たい雨になる。雨がやめば真冬の到来だ。
▼毎年のことだが、これから年度末までが一年で一番忙しい。正に自転車操業、毎日が綱渡りだ。勤労感謝の日を含むこの三連休も、もちろん休みなし。昨日もいろんな人に電話をするが、なんとなくいつもより出が悪い。そのうち旗日だと気がついた。僕が三連休や盆正月をゆっくり休めるのは、もうリタイアした後のことになる。
▼その忙しいさなかの連休前の金曜は、恒例の客先との宿泊忘年会。十年一日のごときマンネリの会合で、年々参加者が減っているような気がする。一次会では例年通り脱会した町内のお祭りの組長と、年に一度の差し向かい。スマホの写真を見せられながら会員の消息を聞く。僕のよく知る中核メンバー何人かが集合写真に欠けている。きけば病気らしい。やめてから、もうそんなに時間がたったのだ。
▼最初にお酌にきたコンパニオンに返杯しようとすると「ワキとアソコを脱毛中だから飲めない」という。なかなかそそるコで「パイパンはないでしょ」と言いながら「このコならありかも」と思ってしまった。なんだかなあ。で思い出したが阿藤快氏が亡くなった。この時期は一気に訃報が増えるような気がする。大相撲11月場所では場所中に北の海理事長が急死した。たしか元横綱隆の里鳴戸親方九州場所中の客死ではなかったか。北の湖といえば実際にテレビで見ていた力士だ。僕も同時代に活躍した人が鬼籍に入る年になった。
▼二次会では客先の柔道経験者の方と隣合わせ。現役当時の地元の有力選手数人の消息を聞くことができた。木村政彦先生の直系ときき、自然と「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったか」「七帝柔道記」の話になる。僕が「著者の寝技中心の高専柔道こそ最強という説、正直どう思います?」ときくと「あの人は柔道家としてはそれほど強いわけじゃない。ただ自分の青春を美化したい気持ちは誰でもあるわけだから」とおっしゃった。信頼のおける人だ。
いい夫婦の日になって、ようやく妻が実家から戻ってきた。義父の葬儀の前後を挟み、先月末から実に三週間以上の長きに渡り独身又は合宿生活を余儀なくされたことになる。結論からいえば、食事を除いて得に不都合は感じなかった。この間ひたすら何も考えずにコンビニの弁当を食べ続けた。考えても迷うだけだからだ。
▼妻が戻るのが思いのほか遅くなったのは、お義母さんが腰を傷めて入院したからだ。妻は二週間後にはもう四十九日で再び実家に帰る。そのまま年明けまで戻らない。いったん戻った後も、今度は二月頃百日で帰る予定だ。法事の頻度で帰らないと心配なくらい、お義母さんは気弱になっている。環境が雪崩を打って変化しつつあるのを感じる。
▼上の子は刑務官に合格した。受験者千人超の中で十数番目の席次ときいた。元々能力のある子だ。それなのに囚人相手というのがなんとももったいない。全ては彼の意識と目線の低さによるものだが、そこのところこそ親が自らの生き方を通して引き上げてやらなければならない部分だと気づいてからは、とても怒る気になれない。むしろ彼に申し訳なく思う。
▼さて、2010年から始めたはてなダイアリーも今月で5年を迎える。アクセス数を示すページビューは初年度から2万、4万、4万、5万ときて今年はまだ4万に届かない。主たる読者は僕と両親で半分、あとの半分がフリーの読者から一日約40アクセスある勘定だ。完全に頭打ちである。今後ももうこれ以上の伸びは期待できまい。
▼合宿ラストスパートの晩さんは下の子とステーキ→ラーメン。


妻が帰って最初の晩さんは結局いつもの韓国料理屋でサムギョプサルに海鮮チヂミ。

そしてようやく今日、ほぼひと月ぶりにありつけた妻の手料理はカボチャのグラタンに大根煮。