いいところを探そう

九州に大雨を降らせた雨が上がると北海道は吹雪らしい。こちらは風は強いが多少肌寒い程度。かなり恵まれていると思う。
▼仕事は相変わらず薄い。社員総出でまるまる一週間かけて連休工事の準備をしている。いつも思うのだが、僕の担当じゃない事業所の工事は毎回ダイ・ハードの犯罪組織なみに大量のスタッフで、その隠れアジトみたいに大がかりな準備をしていてドキドキする。段取り八分というが、工事より準備の方がすごい。よっぽど予算があるんだな。僕なんかいつもひとりでその辺に落ちてるバールいっちょで仕事してるみたいなもんだ。
▼月曜は公共土木の監督とお疲れさん会。公共工事の完成書類の精度は民間の比じゃない。彼の方が絶対たいへんなのだが、僕のパソコンのスキル不足も相当なもので、年度末は夜な夜な事務所に最後まで残るのはいつも二人と相場は決まっていた。互いを指さしては「デキが悪いねえ」と言い合い、「４月になれば」を合言葉に頑張った仲だ。
▼一軒目は駅南の居酒屋。一見なんの変哲もない薄汚れた店で、その割にメニューの値段も結構張って、完全に失敗したと思ったが、月曜なのに客がきれない。ひとり、またはカップルのサラリーマンが多い。常にほぼ満席。断りさえしている。一度も入ったことはなかったが、こちらに越してきた当時からあった。イチゲンの僕には気づかない魅力が隠れてるのかな。でもリピートする気はないから永遠にわからないかも。縁なき衆生は度し難しってね。
▼一次会らしく土木の彼とはいろいろ話したが、会社の人と飲むもんじゃないと感じる種類の話だった。相槌を打つしかない。話を合わせるのも疲れる。こういう時は歌うしかないというわけで二軒目はカラオケスナックへ。まあ歌もそこまで好きじゃないけど。この店も一年半ぶりだ。やっててよかった。いつ来ても客は僕らだけだけど、街中で続いてるということはどっか魅力があるんだろう。
▼三軒目は当日飲みに出ているという情報を得ていた会社の別グループと合流。わかっているなら最初からいっしょに飲めばよさそうなものだが、先方の５人のメンツのうち３人が苦手なタイプ。過半数だ。できれば合流したくなかったが、ドボクンがケータイでどんどん話を進めてしまう。よっぽど帰ろうと思ったが、ここで帰ると僕が彼らをどう思っているかバレバレなので仕方なくついてゆく。
▼行ってみると３人しかいない。しかも多少とも気心の知れている方の２人が帰っていない。絶対絶命だ。酔いが一気に醒めてゆく感覚がある。３人のうちの１人は、ここに来るまでにいっしょに飲んでたドボクンも苦手だと話していたやつだ。一度も口をきいたことがないという。僕もこの会社に入って１３年になるが、たしか１２年くらいは口をきいてない。
▼ところがこれが満面の笑みで出迎えてくれるではないか。心配は完全に杞憂に終わった。そいつが便所に立った隙にドボクンと目配せしたよ。「どうも我々が誤解してたみたいだね。愛想がないように見えるだけなんだ」やっぱりお酒の力って偉大だな。ノミュニケーションさまさまだ。すっかり勢いがついて、気がつくと口をきいてない同士３人で四軒目で飲んでたよ。もっとも翌日からまた口をきいてないが。
▼さて、ＧＷに突入した。お義父さんが亡くなって以来ほとんど既成事実化している妻の月イチの帰省はかなり以前から決まっていた。担当事業所の連休工事がないことが決定してからというもの、僕も何度か「いっしょに帰ろうかなあ」とほのめかしたが、その度「○○（下の子）がかわいそう」と全否定されるので「そんなものかな」と思っていたが、こんなチャンスもそうそうないのでなかなか諦めきれない。
▼「だってやつもう高２だぜ」「本人に言ったら大丈夫っていうに決まってる。でもそれは強がりよ。私にはわかる」「××（上の子）もいるじゃん」「××がアテになるもんね」こんな会話が思い出したように繰り返されてきた。そしてついに昨日、僕が仕事から帰ると「狭い」と下の子が迷惑そうにするのに乗じて、妻からの禁を破りカクカクシカジカで「ＧＷに帰るのをママに止められてる」というと、ヨガ教室に出かけた妻にさっそく電話している。
▼電話を切った下の子の口から出た妻のセリフに僕は唖然とした。「おかあさんあっちでおとうさんの相手できんて言ってたよ」やっぱりそれが本音か。「あなたがいるから安心して帰れる」なんてセリフに騙されてた自分がバカだった。怒りで目の前が真っ暗になる。即刻妻に電話して怒鳴り散らしてやった。というわけで急きょ明日から帰省することになりました。次回の更新は連休明けになります。妻といっしょは癪だけど背に腹は代えられない。まあ僕らの場合大喧嘩して互いを罵倒はしても口をきかないということはないな。

月曜は飲み会、火曜は撮り忘れ、水曜は積算の女性（同世代）にいただいた生シラスのドンブリに肉じゃが。木曜はヨガカレー。そして今日はパストラミサラダに全部乗せ豚丼。